--この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、ティッシュペーパーのサイズに関する疑問について迫ります。

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【今回ご回答いただいた企業】
日本製紙クレシア様

 49歳にして花粉症になってしまった。

 数年前から「ヤバい、ヤバい」とは思っていたのである。春先になると目がショボショボ、鼻水ダラリ。

 あなたの職場にもいるでしょう。完全に症状が出ていて、周囲から「それ、絶対に花粉症だよ」と突っ込まれながら、頑強に「私は風邪をひいているだけだ」と言い張って医者に行かない人。私が典型的なそれだった。

「アタマがボーッとする。鼻水が止まらない。どうなっているんだ」

 周囲に当たり散らし、「早く病院に行きなさい」と親切に勧められても、「いいや、花粉症ではない」と突っぱねていたアホである。

 よく、「自分の体内にあるアレルギーのバケツから、花粉があふれたら花粉症は発症する」という比喩を聞く。思い起こせば、昨年の時点でバケツの表面スレスレだったのだ。「あとちょっとであふれる」というタイミングで、なんとか花粉の季節が終了して事なきを得ていただけなのだろう。


 しかし、昨年の3倍の花粉が飛んでいるといわれる今年。もう2月の段階から目がショボショボして涙出まくり。

 ついにアレルギーバケツがあふれたのだ。

 あとは本格的な花粉症への道をまっしぐらだ。市販のかゆみ止めの目薬くらいでは、とても症状が治まらない。ちなみに昨年は、目薬をさした直後は治まっていた。

 番組の台本を書くときに目がショボショボして字がかすむ。仕事上の資料を読み込んだり、DVDの映像資料を見るのが苦痛で仕方ない。しまいには仕事の行き帰りの楽しみ、電車内での読書が困難になった。一度、芸能週刊誌を読んでいる時に涙がポロポロ落ちてきて困ったことがある。周りから見たら、週刊誌を読んで号泣している「危ないオジサン」である。

 ここまで来て、さすがにアホの私も「これは風邪じゃ」と言い張っている場合ではないと思い、病院に駆け込んだ。
その結果、医学的にも晴れて花粉症と認定され、49歳遅咲きの花粉症デビューを果たしたのであった。

 それにしても現代の医学はすごい。処方された目薬やアレルギーを抑える飲み薬で、これほどまでに症状が和らぐとは驚いた。そうとわかっていれば、もっと早く医者にかかっていた。かえすがえすもアホである。

 さて、そんな花粉症の人々にとって、シーズンになると片時も手放せないのがティッシュペーパーだ。今回のギモンは、そのティッシュに関すること。ティッシュは正方形ではないのだ。縦と横で、大体10~20mmくらいの差がある。それは、なぜか。その微妙な長さの違いには、どのような理由があるのだろうか。

●日本に伝来した時のサイズ?

 だから直接、日本製紙クレシア様に聞いてみた。


「ティッシュを広げたときの寸法が正方形でないのは、なぜですか?」

担当者 ティッシュはもともと海外から来ていますし、機械の関係かと思うのですが、製品によっても違います。

--御社の商品だけではなく他社の商品も調べたのですが、どれも縦が200mm前後で、横は10~20mm長いくらいの差になっています。

(ここで確認のため約10分の保留)

担当者 いま確認しましたところ、もともと「フェイシャルティシュー」として日本に入ってきており、顔を覆えるサイズで少し横長な形に決まったようです。

--海外から入って来た時点で少し横長で、それが今でも続いているということですか?

担当者 はい。そのままということです。

--では、製品によってサイズがバラバラなのはどうしてですか?

担当者 それは機械や原材料の使用量などが違っていることから、サイズに違いが生じています。製品ごとに製造する機械が違うので、同一製品は同サイズになりますが、製品ごとにサイズは微妙に変わってくると思います。

--ありがとうございました。

 昨今は原料になる海外のパルプの高騰で、少しずつ小さくなる傾向にあるそうだ。これから付き合っていく花粉症のためにも、大きくなるのはいいが、小さくなるのは実に困る。

 またズルズル垂れてくる鼻水をかみながら、ティッシュの大きさについて切実に考えてみた今回のギモンであった。あー、また花粉症のクスリ飲まなければ……。

(文=鮫肌文殊/放送作家)

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