現在リーディング2位と、C・ルメール騎手やM・デムーロ騎手といった世界トップクラスの騎手らと互角のリーディング争いを繰り広げている、大井競馬出身の戸崎圭太騎手。外国人2人がいない関東では断トツの首位と、その手腕は冴えるばかりだ。



 しかし、その一方で他の地方競馬出身の騎手たちの"物足りなさ"が目立ってしまっている。

 中でも先日、関東進出を発表した岩田康誠騎手は「NO.1になるため」との前向きな理由を掲げたものの、ネット上では「逃げ出した」とファンから痛烈に批判されているようだ。

 岩田騎手が昨年の秋からG1どころか重賞すら勝てない"スランプ"に陥っていることは、ファンの間ではすっかり有名な話。ただ、今年に至っては重賞どころか、つい先日まで「特別レース」すら勝てていなかった。

 それに気付いたのは、2月14日のすばるS(OP)を岩田騎手が勝った時のこと。

 その日のメインレースはG2の京都記念があり、すばるSはいわば"前座"のようなものだった。それにもかかわらず、勝った岩田騎手がゴール後に"派手にガッツポーズ"をしていたのだ。

 最初は騎乗馬のニシケンモノノフに何か思い入れでもあるのかと考えていたのだが、調べてみると、これがなんと今年の特別レース初勝利......。

 重賞どころかG1さえ面白いように勝っていた岩田騎手が、たかがOPレースを勝っただけで、まるで新人騎手のように派手にガッツポーズ......。これには、現状の岩田騎手の"悲惨さ"が如実に表れているようで、さすがに少しかわいそうになってしまった。

 また、岩田騎手と同じ園田出身の小牧太騎手も同様に、パッとしない現状が浮き彫りになる"事件"があった。

 というのも、岩田騎手の"悲しいガッツポーズ"から1週間後の小倉大賞典(G3)。
ダコールに騎乗していた小牧騎手だったが最後の直線で豪快に追い込み、見事アルバートドッグの際どい「2着」に入線。

 にもかかわらずゴールを過ぎてから、まるで勝利したかのように馬の首を叩いてガッツポーズを決めている......。

 これにはネット中継を見ていたファンからも「え、ダコール勝ったの?」「アルバートドックじゃないの?」「でも小牧さんガッツポーズしてる!」と大騒ぎ。

 どうやら小牧騎手はダコールの手応えに勝利を確信していたようだが、到達順位はやはりアルバートドックが1着。それもハナ差ならばまだしも「クビ差」という"意外な大差"が付いていたものだから、小牧騎手も赤っ恥だ。

 しかし、観戦していたファンは「勘違いかよ」「さすが小牧、受けるわ」「酒の飲み過ぎだ」「写真判定で確認するまでもなかったな」と和やかな雰囲気。何かと風当たりの強い岩田騎手とは違い、これも小牧騎手の温和なキャラクターのなせる業か。

 2着で勘違いしてガッツポーズといえば、蛯名正義騎手がステージチャンプに騎乗した天皇賞・春で、ライスシャワーをあと一歩まで追い詰めた際に勘違いしたことが有名だ。この際は、もし勝っていれば蛯名騎手にとって初のG1勝利だったこともあり、思わず出てしまったらしい。

 しかし、今回の小牧騎手の場合、G1どころかG1の裏番組としてひっそりと行われていたローカル重賞......そこでの"幻のガッツポーズ"とあっては、小牧騎手の現状もまた苦しい立場にあるのだろうか。

 いずれにせよ、地方出身の騎手というくくりで見ると、現状は戸崎騎手の独り勝ちのようだ。

 岩田騎手も小牧騎手も、そんなところでこぶしを握ってないで、今度はG1を勝って堂々ガッツポーズを決めてもらいたいものだ。

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