不倫でキャリアを台無しにしてしまう有名人が後を絶たないが、一般的にも、“セックススキャンダル”で人生につまずいてしまう中年男性は多い。不倫問題を一言で片付けるのは難しいが、その原因が「性欲」なのであれば、適度にコントロールするしか防止策はない。



 そこで、「性欲をマネジメントする」という考え方のリスク回避法について、セックス問題に詳しいライターの猫田仁氏に聞いた。

●ナポレオンも提唱していた「性欲のマネジメント」

 ゲスなバンドマンと好感度タレントのスキャンダルに始まり、“育休議員”、大物落語家、そして今夏の参議院議員選挙に出馬を予定していたベストセラー作家など、築き上げた地位や名声を「不倫」で失墜させてしまう例が相次いでいる。

 不倫は犯罪ではないものの、現在の世論では、不倫を犯した者は犯罪者のように吊るし上げられ、過去の言動に至るまで掘り返されてバッシングを受け続ける。不倫は、社会的に非常にリスクの高い行為であることは間違いない。

 特に40歳前後のミドル世代は、時間的にも金銭的にも余裕があるため、不倫の誘惑に陥りやすい傾向がある。猫田氏は、「成功者ほど、不倫に走りがち」と語る。

「今年に入って話題になった不倫問題の主役たちは、それなりに成功を果たしたミドル男性です。時間やお金に余裕がある上、地位によって“モテ”を手に入れた男性は、まさに『不倫適齢期』といえます。特に、若い頃は仕事一辺倒で恋愛をおろそかにしてきた男性ほど、“わかりやすい報酬”として、女性を求めてしまいがちです」(猫田氏)

 そこで踏み出した不倫行為も、真摯な恋愛感情による結果なのであれば、部外者がとやかく言う話ではない。しかし、単純に性欲を満たしたいがためのものである場合、不倫はリスクが高すぎる。そこで猫田氏が提唱するのが、「性欲をマネジメントする」という考え方だ。

「『英雄、色を好む』。
これは、成功した男性が大好きな言葉です。しかし、現代では、英雄は色に殺されます。そこで、『色』、つまり性欲をコントロールする方法が必要になってくるのです。

 ここで重要なのは、性欲をなくしていくことではないということです。“成功哲学の祖”といわれるナポレオン・ヒルの名著『思考は現実化する』にも、『強烈な性的エネルギーを願望実現や目標達成のエネルギーに転換せよ』と書かれています。性欲をマネジメントすることが、ビジネスのキャリア形成においても非常に役立つのです」(同)

 湧き上がる性欲と向き合い、それをむやみに抑圧するのではなく、「ポジティブに解消することに、もっと積極的になるべき」(同)というわけだ。

●男性にも「生理周期」があった?

 例えば、合法的な性欲解消手段に風俗というものがある。風俗店を利用するのは、世間的なイメージこそよくないかもしれないが、猫田氏は「不倫と比べれば、はるかにましです」と語る。

「不倫に対して強くバッシングするのは主に女性ですが、その女性たちも、風俗に関しては許容する傾向にあります。元衆議院議員の東国原英夫氏は、かつて風俗店で未成年からサービスを受けて『淫行事件』と報道されましたが、これも風俗店だったからこそ、その後の政治家への道筋が残されていたといえます。

 風俗に抵抗感がある場合は、ホテルなどに1人で泊まり、気ままに過ごすというのもおすすめです。性欲は解消すれば落ち着くので、そのための時間を取るということが、リスク軽減につながります」(同)

 さらに「自分の性欲の周期」を把握することも大事だという。
女性のそれとは違うが、実は近年、男性にも「生理周期」があり、性欲はそれに伴って変動することが明らかになっている。

「男性の『生理』は、見た目の変化はありませんが、骨盤が開いたり閉じたりする周期があり、骨盤が開いている時は倦怠感が強くて気持ちも乗らず、勃起機能も低下するといわれています。

 逆に、骨盤が閉まっている時期は精神的にも好調で、精子の生産量も多いので、性欲が高まる。この周期を把握すれば、自分で性欲の高低を予測するなど、コントロールすることができるようになると思います」(同)

 女性に好意を持ったとしても、それが単純に「男性の生理」からくる性欲の高ぶりなのかどうか、自分で理解することが重要だという。仕事の原動力にもなる性欲というエネルギーをリスクの高い「不倫」に振り向けるのは、マネジメント的にはあり得ない。そういう時代になっていることを、認識するべきなのだ。
(文=ソマリキヨシロウ/清談社)

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