9日、リオデジャネイロオリンピック代表に決まったバドミントンの選手が会見し、意気込みを語った。女子ダブルスの世界ランキング1位、高橋礼華選手と松友美佐紀選手や、賭博問題で桃田賢斗選手が世界ランキングから抹消された結果出場が決まった佐々木翔選手などが出席。



 参加する選手たちには素直に頑張ってもらいたいものだが、その一方、桃田選手らの違法賭博の「起点」となった田児賢一選手が「マレーシア含めた海外のプロリーグに移籍の意向」が取りざたされ、その点でも非常に大きな注目を集めた。

 しかし7日、マレーシアの「パープルリーグ」が、日本バドミントン協会が特別に認めない限り、同リーグでプレーすることは認めないと声明を発表。多くの外国人選手が活躍する同リーグだが、やはり無理やり移籍することは難しそうだ。

 田児選手は今後もプロリーグを探すのだろうが、とにかく世間の風当たりは厳しい。後輩たちを違法賭博に誘い、問題発覚は涙を流して謝罪したものの、舌の根も乾かぬうちに「海外移籍」とは……反省していないと思われても仕方のない行動である。

なかには「まあ頑張ってこい」と情状酌量の声もわずかにはあるものの、基本的にはバッシングの嵐。「東南アジアにカジノしに行くんだろ」という声さえあるのだ。そのような行動に出れば世間がどういう反応をするのか、少し考えればわかろうもののようにも思えるのだが……。

 おそらく、田児選手は学生時代「スポーツしかしていなかった人物であることには想像に難くない。就職後もバドミントン一筋で生きてきた中、今回の騒動で事実上その道が絶たれ、「何をすればいいかわからない」状況に陥ってしまっているのがわかる。

 これはプロ野球選手などでも同じだが、スポーツだけで生きてきた人間がその後まったく別の仕事につくというのはかなりの覚悟がいるということだろう。そう考えると、愚かではあるにせよ田児選手がとろうとした行動も当然といえる。


 学生時代から現在までスポーツだけで「生きていけてしまった」ツケがあまりにも大きなものだったことが、今回の田児選手の行動からは見て取れる。

 しかし、海外移籍への道は極めて厳しいようだ。田児選手のイメージはますます失墜し、今後さらに苦しい状況に追い込まれるに違いない。

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