今年の日本ダービーは本当に盛り上がった。史上最高と呼ばれるメンバー、期待馬たちが期待通りのレースを展開し、最後の最後まで大接戦の8cm差決着。
そんなダービー、いや、ダービーに限ったことではないが、競馬ファンの間で注目されるのが「実況」である。基本的にラジオNIKKEIの実況は全レースを毎週実況する分場数を踏んでいるため、安定して上手いと評価する声が多い。2013年にキズナが制したダービー時の中野雷太アナの実況などは、最後の直線で抜け出しを図るすべての馬を捉えた上でしっかりキズナで締める芸当を見せつけ、絶賛を受けていた。
一方、毎週競馬を放送するフジテレビの実況には非難の声が多い。特に日本ダービーでは同局の青嶋達也アナが数々の伝説を残した。
「(最後の直線ほとんど馬の名前を言わず)“高低差”200mの直線! その向こうには何が見える」「(最後の最後に)さぁ横一線だ!横一線! 大外キズナ!大外キズナ! 真ん中に………いるが、大外キズナ! キズナがとらえた!キズナ勝ったあああああー!」(2013年ダービー)
「(まったく伸びていないのに)タンタアレグリア蛯名あああ!」「(抜け出すドゥラメンテに)さあきたかきたかドゥラメンテか!?」「(残り200mでほとんど実況できず)」(2015年ダービー)
まあ、いろいろ突っ込むところが多いわけだが、毎年のように「青嶋ダービー実況」のスレッドが立つほどの注目度を有している。上記の年には、前述の中野アナと比較されて「クソ実況」などとののしられてしまうわけだ。
ただ、今年に関しては冷静に実況ができていたように思える。上位をうかがう馬も拾えていたし、最後の最後「どっちだどっちだどっちだ! どっちだー!(その後絶句)」とマカヒキとサトノダイヤモンドの争いに同じセリフを連呼した以外は、特に問題はなかったような気がする。ちなみに、もともとスプリント実況の評価は高い。
ネット上でも「今年は割とよかった」「盛り上げもあるし今回は上手だった」と評価する声も多い。ラジオNIKKEIが冷静なので「青嶋のほうが高揚感はある」と支持する声も。一昨年のオークス、敗れたハープスターに肩入れしすぎな実況で批判された同局の福原直英アナの成長と合わせて「練習したんだろうか」という憶測の声もある。
まあ、その裏にあるNHKの実況のほうがもっとひどいなんて意見もある。今後もテンション高めかつ冷静な実況を青嶋アナには期待したいところだ。