芸能人や有名人による詐称といえば、記憶に新しいのが情報番組などでコメンテーターとして活躍していたショーンKだろう。

 「週刊文春」の報道を皮切りに学歴詐称が発覚し、所属事務所のホームページで謝罪し、出演予定だった番組を次々と降板してテレビ画面から“消えた”。



  コメンテーターを生業にしていたことを考えれば、ショーンKの学歴詐称はかなり悪質なものであることは否めないが、一方でそもそも芸能人の詐称は常態化しているといっても過言ではない。

  例えば、グラビアアイドルのプロフィールにあるスリーサイズ。バスト、ウエスト、ヒップと、皆やたらと素晴らしい“数字”が羅列されているが、芸能プロダクションのマネージャーはこう語る。

「正直言って、タレントのスリーサイズほど当てにならないものはない(笑) ウエストなんて一時期、やたらと自称58センチのコが“増殖”していましたが、本当に58センチのコなんて一握りでしょう。バストやヒップに関しても、プロフィールどおりのコを探す方が難しいと思いますよ。まあ、厳密に言えば、スリーサイズは日々変わるものですからね。いくらでもごまかしが効くし、見栄えの良い“数字”にしているケースが多いでしょう」

 スリーサイズに近いものとしては身長なんかも挙げられて、「わざわざ公の場で計る機会がないですからね。身長については、男性芸能人を中心にサバを読んで実際よりも高くしている芸能人は多いと思いますよ」(同芸能プロマネージャー)

 とはいえ、当たり前の結論かもしれないが、スリーサイズや身長に関しては詐称したところで世間からバッシングを受けることはない。

 そうした中、判断が微妙なのが年齢詐称だ。

 芸能界では古くから年齢をごまかして活躍しているタレントも多い。最近では、今年3月に31歳年下の歯科衛生士の女性と結婚した演歌歌手・冠二郎が5歳サバを読んでいたことが明らかに。

 少し前にはタレントの手島優も2歳サバを読んでいたことが発覚したが、2人ともそれほど世間からバッシングを浴びることはなかった。


 だが、07年にタレントの夏川純が3歳サバを読んでいたことが明らかになった際には、かなりの話題を呼び、本人が謝罪する一幕もあった。

「あの時の夏川さんはかなり可愛そうでしたね。ぶっちゃけた話、ウチらの業界には年齢をごまかしながら活動している人が腐るほどいますから。そもそも芸能界は縦社会ですが、先輩、後輩の基準となるのは年齢ではなく、あくまで芸歴。年齢の話はタブーとまで言わないまでも、ほとんどしませんからね。『3歳サバを読んだくらいであそこまで叩かれるなんて…』と同情していた業界人も多かったと思いますよ」(前出の芸能プロマネージャー)

 冠や手島はそれほど非難されずにスルーされ、夏川だけが猛バッシングを受けた理由とは、いったい何なのか?

 スポーツ紙のデスクはこう分析する。

「夏川さんの場合、最初の報道が出た時、出演していたテレビ番組で年齢詐称疑惑を否定してしまった。それが結果的に厳しい追及を受けて、裏目に出てしまったんでしょう。早い段階であっさりと認めてしまえば、あそこまで大事には至らなかったと思いますけどね」

 そのうえでこう続ける。

「まあ、それを加味しても運が悪かった部分もあると思います。結局のところ、叩かれる、叩かれないはタイミングやそのタレントのイメージによるところも大きいのではないでしょうか。もちろん、ショーンKのように、知性を売りものにしていた人が学歴を詐称していたのは悪質だし、叩かれてしかるべきでしょう。
でもその反面、そもそも芸能人は夢を売るのが商売なわけで、多少の“詐称”は許されてしかるべきだと思うんですけどね。最近はグラドルなんかでも、雑誌のグラビアに載せるプロフィールで、あまりスリーサイズを公表していませんが、あれも“炎上社会”の影響だって話ですしね。ちょっと過敏になり過ぎているのかなと」

 芸能人にとっては何とも生きづらい時代のようだ。
(文=JAPAN芸能カルチャー研究所)

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