10月16日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)に千秋、出川哲朗、天野ひろゆき(キャイ~ン)が登場、公私共に仲のいい3人が昔の思い出から将来の夢まで、さまざまな話を繰り広げた。
13歳の娘の親である千秋の子育てについて話が及ぶと、「最初、不思議少女で出てたもんね」(出川)、「それが今やコメンテーターみたいな」(天野)と、2人のツッコミが始まった。
また、出川に「年商、何億なの?」と聞かれていたように、千秋は立ち上げた子供服ブランドのビジネスが軌道に乗るなど、実業家としても成功している。不思議少女から歌手、さらにはコメンテーターや実業家など、いろいろな顔を見せながら、浮き沈みの激しい芸能界で活躍し続けている千秋。数多い“ママタレ”の中でも存在感を示していることから、“ママタレ女王”とも呼ばれている。
●キャラ変更で失敗した釈由美子
ほかに“キャラ変”した女性芸能人といえば、まず名前が挙がるのが小倉優子だ。「こりん星のりんごももか姫」という設定のおっとりキャラで人気を集めた小倉は、2009年末に「設定終了」を宣言。また、インターネット上ではブレイク前の小倉が早口でハキハキと話している様子が話題になることも多い。そんな小倉は、結婚・出産後は料理本を出版するなど、ママタレとして活躍している。
また、女優の松嶋菜々子と篠原涼子もキャラ変更組だ。松嶋は新人時代に『とんねるずのみなさんのおかげです』(同)のコントに出演、卑猥なセリフを言わされる様子は“黒歴史”と言われている。
アイドルグループ「東京パフォーマンスドール」の初期メンバーだった篠原も、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(同)のコントでは天然キャラとして活躍、歌手活動を経て女優としてブレイクした。
今や大物女優の地位を築いているこの2人も、以前はバラエティのコント要員だったわけだ。では、キャラ変更による成功と失敗を分けるものはなんなのだろうか。芸能事務所関係者は以下のように語る。
「小倉がお姫様キャラから脱皮しても起用され続けたのは、『あれはキャラだった』と正直に言えたことが大きいです。過去の経歴を“黒歴史”として封印、何もなかったことにするケースもありますが、小倉の場合は視聴者や制作側が抱くフラストレーションをきちんと消化したため、キャラ変更後も活動の幅を広げることができました。
一方、失敗だったのが釈由美子です。彼女も、当初は『妖精が見える』などと嘘か本当かわからないような発言で注目を浴びましたが、ドラマに進出するようになってからは不思議キャラを封印。路線変更をすること自体はいいのですが、釈の場合は不思議キャラに代わる武器がなかったため、存在感を失ってしまいました」
●綾瀬はるかや小池栄子も成功組
キャラ変更には、相応の武器や戦略が必要ということか。女優の綾瀬はるかは、「天然力」を武器に路線変更に成功したケースだという。
「デビュー当初は“ぽっちゃりグラドル”として、所属事務所・ホリプロの大先輩である和田アキ子が司会を務める『B.C.ビューティー・コロシアム』(同)にバーター出演、ダイエット企画に励んでいました。
それから女優業に進出しましたが、彼女の強みは周囲を和ませる天然ぶり。それも、計算ではないのでスタッフから愛されます。
一方、グラドルから女優に転身、さらには経済番組『日経スペシャル カンブリア宮殿』(テレビ東京系)で作家・村上龍と共に番組の進行を務める小池栄子も、見事にキャラ変更したひとりです。グラドルとして人気を博していた当時、オリエンタルラジオの『武勇伝』からヒントを得て『巨乳伝』というネタまで披露していた小池は、その抜群の『トーク力』と『コミュニケーション能力』の高さで路線変更に成功しています。
芸能界におけるキャラ変更は、ステップアップしたり仕事の幅を広げたりするのに必要なことであり、『二度売れる』という現象につながるわけです」(芸能事務所関係者)
“一発屋”も多い芸能界で、いわゆる“セカンドブレイク”を果たすのは並大抵のことではない。キャラ変更は、そのための大事なカードといえるのかもしれない。
「セクシータレントとして引っ張りだこだった壇蜜も、文化人路線に転向し始めてから、オファーが激減しました。専門家や識者が集う『文化人枠』も競争が激しく飽和状態です。二度目のブレイクのために自分の武器になり得るものはなんなのか。それを真剣に考えないと生き残れないのが芸能界といえるでしょう」(同)
●素のベッキーはぶっちゃけキャラ?
さて、今もっともキャラ変更が求められているタレントといえばベッキーだろう。ゲスの極み乙女。の川谷絵音との不倫スキャンダルによって、それまで築き上げてきた品行方正で優等生なイメージが崩壊。
一部ではぶっちゃけキャラや毒舌キャラへの転向をすすめる声もあるが、テレビ局関係者は「実は、ベッキーはもともとぶっちゃけキャラなのです」と語る。
「『おはスタ』(同)のマスコットガール『おはガール』としてデビュー後、『CDTV-Neo』(TBS系)、『U-CDTV』(同)という『COUNT DOWN TV』(同)の姉妹番組に出演していました。そこで強烈に印象に残っているのは、ベッキーが街中で一般人にツッコミを入れたり、茶化したり、バシバシとさばいている姿です。
もともとベッキーはそんなキャラなのですが、アイドル冬の時代を迎え、業績が落ち込んでいたサンミュージックプロダクションの新たな稼ぎ頭として、事務所の期待を一身に背負うことになりました。
また、それだけではなく、もともと抱いていた『芸能界引退後は雑貨屋を開く』という夢のために『好きなことを捨てる、恋をしたり人を好きになったりすることをやめる』という主旨の発言を、04年から4年間曜日レギュラーを務めた『はなまるマーケット』(同)でしているように、自らを律していたところがあります。だから、彼女の場合は一度リセットして、素のベッキーに戻ればいいのです」(テレビ局関係者)
●常に新キャラを求めるテレビは動物園?
最後に、テレビ局関係者は業界の内情について以下のように語る。
「常に新しいキャラクターを求めているテレビ業界は、一言で言うと『見世物小屋』です。もっとわかりやすく言えば、『動物園』なのです。
つまり、制作サイドは『どんな動物をテレビという“檻”の中に入れたら視聴者が喜ぶか』を常に考えています。もちろん、その動物が飽きられたと思ったら入れ替える。だから、タレントや事務所も飽きられずに長く展示してもらえるように戦略を考えるのです。
いずれにしても、テレビの中では今後もさまざまなキャラクターが生まれては消えていきそうだ。
(文=編集部)