2016年12月30日にTBS系で放送された『第58回輝く!日本レコード大賞』は、西野カナの『あなたの好きなところ』が大賞に輝いた。
今年のレコード大賞は、違った意味で注目されていた。
そして今年、当初はエイベックス所属のAAAの受賞が予想されていたが、蓋を開けてみれば西野カナが大賞をさらった。
「西野の大賞受賞曲はオリコンのシングルランキング最高位5位で、16年の年間シングルランキングでトップ100にも入っていない。かといって、売上枚数以外に突出した何かがあるわけでもない。普通に考えれば、あまりに意味不明で、なぜこの曲が選ばれたのかを説明するほうが難しい」(テレビ局関係者)
16年にミリオンセールスを記録した AKB48や一大ブームを巻き起こしているピコ太郎ではなく、なぜ西野の曲なのか。多くの人は疑問を持ったことだろう。
「レコ大を受賞するほどのヒット曲は、当然その年の大みそかの『NHK紅白歌合戦』でも歌われることが多い。しかし、西野カナは昨日放送された『紅白』で『あなたの好きなところ』ではなく、『Dear Bride』を歌いました。昨年の三代目も大賞受賞曲の『Unfair World』ではなく、『紅白』では『Summer Madness』を歌った。一時期、部門別に分けられていたレコード大賞が1つに再統一された1993年以降、大賞受賞曲を『紅白』で歌わなかったのは、西野と三代目、あとは99年のGLAYだけです。GLAYは『Winter, again』でレコ大を獲得し、紅白では『サバイバル』を歌った。
●むしろ西野は被害者
かつて、レコード大賞を獲得した歌手は大粒の涙を流すのが恒例だった。たとえば中森明菜や浜崎あゆみ、AKB48のメンバーなどが泣いて喜びを表していた。だが、西野カナは一粒の涙をこぼすこともなく、淡々と大賞受賞曲を歌い切った。芸能界関係者が話す。
「西野の表情がすべてを物語っていたのではないでしょうか。疑惑だらけのレコ大を獲っても、自分の価値が上がるどころか、下手したら汚名を被る可能性すらある。西野自身は何も悪くない。むしろ、被害者、犠牲者といってもいいくらい。世間の大半が納得できない結果をもたらす審査員や取り巻く環境、そしてレコ大そのものが見直される時期にきているのではないでしょうか」
もはやレコ大は“はだかの王様”になったといえるだろう。
(文=編集部)