「いくつもミリオンセラーを出していたトップアーティストは、やっぱりすごい」
「あれだけ活躍していたのに、それだけ? 数億円はあると思っていた」
世間から両極端の声が上がっているのは、1月4日に公表された参議院議員の「資産等報告書」で明らかになった、元SPEEDの今井絵理子氏(自民比例)の資産内容だ。
預金額だけに限れば、約6800万円でトップ。
株などの所有を含めてトップだったのは、弁護士ドットコム社長の元栄太一郎氏(自民)で、14億3594万円に上る。今井氏は総合で3位、女性では1位だ。
ちなみに今井氏が沖縄に所有する土地は自衛隊の那覇基地と米軍の嘉手納基地の土地、つまり軍用基地であり、沖縄出身の国会議員としては、軍用地を所有して収入を得ていることを地元の有権者に知られるのはデメリットな側面が強い。そのため、庶民派のイメージをアピールするためにさまざまな方法を使って資産保有額を少なく見せようとする議員が多いなか、今井氏がそうした工作を行わず「正直に」公表したことが、ニュースにもなっている。
そして、この資産額が多いのか少ないのかを考える上で参考になるのは、今井氏がSPEED時代にどれだけ稼いでいたのかという点だが、あくまでも大まかなイメージをつかむための参考値として、CD売上からざっと探ってみることにしよう。
「『BODY&SOUL』(1996年)から『リトルダンサー』(2011年)まで、SPEEDのシングルCDの売上枚数について過去に公表されたデータなどを合算すると、総計で1100万枚ほどになります。売上に対する歌唱印税は1~3%というところで、10代でゼロからのデビューということを考慮して、仮に1%としましょう。シングルCDが1枚1000円として1%をメンバー4人で分けるとすると、今井氏の取り分は2750万円となります。また、アルバムCDの売上は総計で840万枚ほど。
●堅実な生活?
デビューから時を経て印税額も上がっているだろう。当然ながらこのほかに、テレビ、ラジオ、ライブなどの出演料もあるから、現在の資産は稼いだ額に見合っているといえる。子供を育てながら、堅実に生活してきたことがうかがえるが、テレビ局関係者は語る。
「ゴールデンタイムやプライムタイムのテレビドラマの場合、主演クラスで1本(1話)40~60万円ほどですが、ゲスト出演した際はこの金額の3分の1以下になります。また、バラエティ番組はメンバー4人で12万円くらいからが相場で、音楽番組の場合は曲のPRという性格があるため1番組4人で5万円くらいでしょう。SPEEDはデビュー当時は給料制で、一人当たり毎月20万円程度からスタートし、売れるようになった最盛期はさすがに歩合制になり、年収は額面で1500万円程度といわれています。ちなみに今井の現在のメイン収入はカラオケ印税で、一曲につき今井のもとには2円ほどが入ってきていると思われます」
また、現在の今井の収入について、芸能記者は語る。
「今井がものすごく稼いでいたのはSPEED全盛期で、もう15年以上も前のことです。その後は結婚、出産、そして離婚後はシングルマザーとなり、金遣いが派手にも見えないので、資産額は妥当なところではないでしょうか。今井が今も所属するライジングプロは、過去の功労者には現在本格的に稼働していなくても月給を支払う良心的な面を持っていますが、タレント活動をほぼしていない今井に多くの給料を支払っているとは考えにくいです」
ちなみにライジングプロに今井氏への給料支払いについて問い合わせたところ、回答拒否であった。
(文=深笛義也/ライター)