BJ読者の皆さまは今何歳ですか、そして皆さまにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか。
1970~90年代、家庭の茶の間から学校の放課後。
そして数ある「懐かしい」の中から厳選した記事をお届けするのがこの連載。
忙しい日常にちょっと一息、缶コーヒーでも飲むような気持ちでご覧になっていただけましたら幸いです。
さて、今回はめっきりと見かけなくなって久しい、懐かしの文房具「砂消しゴム」について振り返ってみます。
皆さま、砂消しゴムの正しい使い方ってご存知でしたか?
ボールペンの文字も消せる魔法の消しゴムとして、手に取るまで期待に胸膨らませた幼いころ。
ところがいざ手に取ると表面は固くてザラザラ。そして使ってみると案の定……これまた見かけなくなって久しい「わら半紙」がベリベリと音を立てて破れてしまった、そんな経験をお持ちのかたはきっと多いはず。
そんな砂消しゴムの使い方を今さらながらご紹介しましょう。時を経て、もう一度砂消しゴムが使いたくなってくるかもしれませんよ。
固くてザラザラした砂消しゴムは、通常のプラスチック消しゴムと同じ使い方をすると紙が破れてしまいます。
一方で砂消しゴムは、消したい箇所を「紙ごと」削る消しゴムなんです。ですので、プラスチック消しゴムでは消せないボールペンの文字でも消すことができたわけですね。
砂消しゴムに含まれる研磨材の粒子は非常に粗く、あのザラザラした質感の通りサンドペーパーのような役割を果たしています。だからプラスチック消しゴムを使う時のように「ゴシゴシ」やってしまえば紙が破けてしまうんです。
砂消しゴムを上手く使いこなすには消しゴムを優しく持ち、消し去りたい文字の周辺を円を描くようにそっと擦っていきます。優しく回転させて、それこそ紙を薄く削り取っている自覚を持ちながら……。
こんな性質の砂消しゴムですから、実はお掃除アイテムとしての有能。
たとえば砂消しゴムでガスコンロの汚れた部分を擦ると、なかなか落ちなかった汚れも見違えるように綺麗になるんです。
近年ではボールペンの文字消しといえば修正液や修正テープが一般的となっています。また「フリクションボールペン」といって特殊なインクで簡単に消せるボールペンも登場し、文房具として砂消しゴムを見かける場面はめっきり減ったといってもよいでしょう。砂消しゴムはこのまま生産数が減り続け、近い将来完全に過去のモノとなるかもしれません。
そうなる前に、かつて上手く使えずに悔しい思いをした砂消しゴムを入手して、正しい使い方に感動を覚えてみるのも面白いかもしれませんね。
役所に提出する書類ややっぱり履歴書は手書きで……など、今でも生活のなかでボールペンを用いるシチュエーションはありますよね。そんなとき筆箱に砂消しをしのばせておけば、意外と使う機会も出てくるかもしれません。それでもやっぱり破れそうで不安なんてかたは、進化した砂消しはいかがでしょう。
紙が破れにくいタイプの砂消しはもちろん、カッタータイプやペンタイプの砂消しなど、ピンポイントでの修正を可能にしてくれる砂消しがあるんですよ。
今回は幼いころ魔法の消しゴムとして誰もがその万能性に期待しつつ、いざ使ってみると残念な結果に終わった「砂消しゴム」にスポットライトを当ててみました。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、ぜひお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)
●多機能筆箱、ロケット鉛筆、赤青鉛筆に鉛筆削り・・・懐かしの文房具たち
(URL: https://middle-edge.jp/articles/I0000159 )
●【子供のころの水筒】おにぎりや湯たんぽのような形状・・・あの懐かしいフォルムを再確認
(URL: https://middle-edge.jp/articles/dYKhf )
●スーパーカー消しゴムクイズ!「この元の車は何でしょう??」
(URL: https://middle-edge.jp/articles/I0002594 )