読売ジャイアンツ(巨人)所属の柿澤貴裕外野手が、同僚選手のバットやグラブなど野球用具を盗んで売却していたことが明らかになった。7日付で巨人から契約解除を受けた柿澤だが、インターネット上では巨人に対しても批判の声が続出している。



 事件が発覚したのは、ある選手が、ネットオークションで自分の用具が出品されていると気づいて球団に報告したのがきっかけだ。球団側はジャイアンツ球場内に設置してある防犯カメラをチェックし、柿澤が犯行に及んでいる場面を確認したという。

 今年5月から6月にかけて12回も窃盗を繰り返した柿澤は、約110点もの野球用具を売却したという。阿部慎之助、菅野智之、長野久義といった主要選手たちも被害を受けており、売却額は総額約100万円に上る。巨人は柿澤との契約を解除して「このようなことがないよう再発防止に取り組んでまいります」とコメントしたが、同球団は他選手の行動にも頭を痛めている。

 柿澤との契約を解除した同日、巨人は河野元貴捕手と篠原慎平投手に対して今シーズン中、期限を定めない出場停止と罰金の処分を下している。巨人公式サイトでは「篠原投手は飲食店の個室で開かれた私的な集まりで酒に酔って裸になり、その様子を同席していた河野選手がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に知人限定で投稿するというプロ野球選手として不適切な行為を行いました」と事情が説明された。

 巨人の選手をめぐる不祥事は、ここ数年相次いでいる。

 2015年には野球賭博に関与していたとして、福田聡志元投手、笠原将生元投手、松本竜也元投手が無期失格処分を受けている。翌16年にも高木京介投手が野球賭博に関与していたことが発覚して1年間の失格処分を受け、渡邉恒雄顧問ら3首脳が引責辞任する事態に発展した。

 また17年7月には、山口俊投手が泥酔状態で東京都目黒区の病院を訪れ、警備員を暴行した容疑などで書類送検された。その後、出場選手登録を抹消されたが、今年4月に公式戦復帰を果たしている。


 問題が続いている巨人に対して野球ファンの目は厳しく、ネット上では「柿澤のニュースを聞いたら、むなしい気持ちになった。仲間のバットを売るなんて、柿澤はミジメにならないのか」「プロのスポーツ選手として自覚が足りなすぎる」「野球賭博以降、巨人は本当に不祥事が多い」「球団側でも選手の素行をキッチリと管理してほしい。さすがに問題が起こりすぎだと思う」といった批判が続出している。

「巨人軍は紳士たれ」というモットーがあるように、厳しい規律で有名な巨人だが、相次ぐ不祥事を止めることはできないのだろうか。
(文=編集部)

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