NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK/2013年4~9月)のヒロインとして大ブレークした能年玲奈改め、のん。現在は、もっぱらアーティストとして創作や音楽活動をしているが、女優業再開を熱望しているという。
のんは2015年4月、当時所属していたレプロエンタテインメントに無断で、2015年1月に個人事務所「三毛&カリントウ」を設立していたと、同年4月に報道された。それ以降、レプロ側から「能年玲奈」の名で芸能活動することを禁止されるなど、対立は泥沼化した。結局、契約問題は解決しないまま「のん」と改名して活動を再開したが、これまでのレギュラーラジオ番組やCM出演などはなくなった。
そんななか、昨年3月に改名後初のCM出演を果たしたのは、「LINEモバイル」だった。その思い入れのあるLINEモバイルのCMに、今夏も出演することが決定した。
のんは7月2日、LINEモバイルの記者発表会に出席。3月に電動自転車の新モデル発表会に出席して以来、メディアの前に登場するのは約4カ月ぶりとなる。現場にいたメディア関係者によれば、のんは昨年、創作活動で個展を開いたことや、最近では初めて襟付きの洋服を製作したことなどを冗舌に語り、多忙だったと語ったという。
さらに「今は、9月にバンド『のんシュガレッツ』のツアーがあるので、なんかすごいことやるんだなという気分」と前向きな姿勢を示した。
のんが歌うことになったきっかけはLINEモバイルのCMで、「『のんって歌うんだ』って知ってもらえたことがよかった」と目を輝かせ、順調にアーティスト活動を送っている様子を見せた。イキイキとした口調に驚いたというメディア関係者を、さらに驚かせたのは、今後やりたいこととして「下半期は女優としてのお仕事も発表できたらいいな。みなさん『見たい』とおっしゃってくださるので、がんばりたい」と、女優業への意欲をみせたことだという。
「『あまちゃん』でブレークした直後は、まだ10代で、公の場にも慣れていなくて、いつもオドオドした様子でした。それが今は、のんらしさも持ち味にしながら、あれだけ堂々と話している姿を見て、成長したなあと感心しましたが、一方で本当の意味ではやはりわかっていないんだなと感じました。2016年はアニメ『この世界の片隅に』(東京テアトル)で主人公の声優に挑戦して、それが当たり役で、しかも話題作となりました。ただ、連続ドラマや、民放が出資していたりする大手映画会社配給の大型作品などの仕事は、今後も難しいでしょう。女優復帰について、あんなふうに天真爛漫に公の場で話すことができるということは、自身が置かれた現状を理解できていないのだと思います」(メディア関係者)
●女優業再開は困難か
事務所独立騒動は約3年にわたって続いた。騒動発覚から1年後の16年6月下旬、レプロはメディアに文書を送り「昨年4月から能年との話し合いが進まず、仕事を入れられなかった」と発表した。この交渉の際、レプロは15カ月分の契約延長を求め、合わせて契約満了後も「能年玲奈」を芸名として使用するには同事務所の許可が必要であると警告していたことが「週刊文春」(文藝春秋)に報じられた。同年7月以降も能年の退所について正式な発表はなく、今年4月12日、レプロの公式サイトから能年玲奈のプロフィルページが削除されたばかり。
のんの今後の女優業について、テレビ局関係者は厳しいとの見方を示す。
「レプロとのんの間の契約問題はなんとか解決したようですが、決して和解したわけではありません。民放各局は、多くの人気タレントを抱えるレプロとの関係を忖度して、いまだにのんの情報を取り上げることは避けているところがほとんどです。レプロに関しては一時、ブラック企業のような悪いイメージがついてしまいましたが、メディア関係者から見ても、のんの独立騒動に関しては、のん側に落ち度があるとみる傾向が強いです。
彼女自身が子どもだったのかもしれませんが、契約満了期間までの仕事をやり終えなかったことや、話し合いの要請に応じなかったこと、レプロに相談なく勝手に個人事務所を立ち上げていたことも事実なので、擁護しようがないんです。
今回『女優のお仕事が発表できれば』と天真爛漫に言っているところも、なんだか痛々しいです。もう24歳ですから、いろんなところに頭を下げることも覚えなければならないでしょう。犯罪やモラルを欠いた行動をしたわけではないので、アーティストの仕事や、スポンサーに気に入られればテレビCMへの出演も問題ないと思います。
しかし、ドラマや映画となると、たくさんの共演者や会社が絡んできます。ほかの事務所は、自分のタレントにのんの影響を受けさせたくないでしょうし、テレビ局や製作側はレプロとの付き合いを大事にしたいため“忖度”します。はっきり言えば、芸能界では四面楚歌なのに、アーティストとしての仕事に恵まれているだけに彼女はこの状況を把握できていないようですね」(テレビ局関係者)
のんの天真爛漫な言葉にウソや忖度はないようだが、現実はそんなに甘くはなさそうだ。
(文=編集部)