米倉涼子が主演を務める連続テレビドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)の第1話が10月11日に放送され、平均視聴率15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とロケットスタートを切った。

 米倉の代表作といえば、「私、失敗しないので」のフレーズで人気を博している同枠のドラマシリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子』。

視聴率20%超えを連発し、これまで全5シリーズが放送されている。今回はいわば、その“女弁護士版”ということで、「『ドクターX』を超えられるか?」という点も注目されていた。

 今クールは、初回の平均視聴率14.2%を記録した織田裕二主演の『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)が話題を集めている。また、こちらも人気作の続編である阿部寛主演の『下町ロケット』(TBS系)も控えており、『リーガルV』はそれらのドラマとしのぎを削ることになりそうだ。

 初回の展開を振り返ると、弁護士資格をはく奪された小鳥遊翔子(米倉)が、ポンコツ若手弁護士の青島圭太(林遣都)とペーパー弁護士で元大学教授の京極雅彦(高橋英樹)をスカウトし、京極の名を借りて「京極法律事務所」を立ち上げる。「弱者を救うための法律事務所」をうたう小鳥遊は、元ストーカーで服役経験のある馬場雄一(荒川良々)と、1億円横領で服役経験のある元銀行員・伊藤理恵(安達祐実)をパラリーガル(弁護士業務を補助する者)として採用する。

「弱者を救うって、そういうこと?」と思わずツッコミそうになったが、現役ホストの茅野明(三浦翔平)も加え、自身は管理人として京極法律事務所をスタートさせた。

 そして今回、小鳥遊たちが扱ったのは、一度訴えられると有罪率99.9%といわれる「痴漢事件」。事の発端は、君島化学の会社員である安田勉(児嶋一哉)が三島麻央(山谷花純)に「お尻を触られた」と糾弾されている現場に、青島が偶然居合わせていたことだ。そして、無実を訴える安田を見過ごせず、青島は弁護を引き受けることになる。

 三島が嘘をついていることを見抜いた小鳥遊は、「鉄道研究歴30年」「カリスマ鉄子」「全日本鉄道社・鉄道研究1級のライセンスを持つ専門家」という肩書きで証人として法廷に入り、鉄道オタクの目線から次々に三島の証言の矛盾点を指摘する。最終的には、怖くなった三島が「ごめんなさい」と嘘を認め、京極法律事務所は初仕事で無罪を勝ち取った。


 しかし、それだけでは終わらない。小鳥遊は、この事件の黒幕が安田の同僚である冨樫博之(安井順平)だという証拠をつかみ、君島化学に「安田の不当解雇に対する賠償金」として100億円を請求する。さらには、「特許出願をめぐる会社の内紛を告発する会見を開く」という脅しで会社側を追い込み、安田へ賠償金を支払わせることに成功した。

 放送前から期待が大きかったドラマだけに、インターネット上では多くの反響があがっている。特に、小鳥遊に「ポチ」とあだ名をつけられてしまった青島の「わんこっぷり」にキュンとした視聴者が多かったようで、以下のような反応が見られた。

「青島の小鳥遊さん好き好き感と“ポチみ”にやられました」

「小鳥遊さんカッコいいし、青島くんの一生懸命なポチっぷりにはニコニコしてしまう」

「きっとポチの成長物語でもあるので楽しみだなぁ。遣都くん、あの髪型大正解だと思う。ポチ感が4割増しくらいになる」

「これから、心揺れるエモいポチとかコメディ感あふれるスピーディなポチを堪能できるのかぁ。木曜が楽しみすぎる!」

●痴漢冤罪の描き方に批判も

 ただ、一部では今回のテーマについて懸念の声もあがっている。

「リーガルVみたいな痴漢冤罪の描かれ方は最悪なんだよな。男性の痴漢冤罪恐怖症を悪化させるし、被害者への対応についても誤解を招きかねない」

「せっかくおもしろいドラマになりそうなのに、初回からテーマが最低すぎた」

「リーガルVがヤバいのは、痴漢冤罪という難しいテーマを扱いながら、実際の痴漢被害で苦しむ女性の存在や、その多さに一切触れなかったところ」

 1話完結型ではあるが、初回を見る限り、今後は天馬壮一郎(小日向文世)、海崎勇人(向井理)、白鳥美奈子(菜々緒)が所属する、小鳥遊の古巣「Felix & Temma法律事務所」との因縁の対決も繰り広げられそうな気配だ。また、多くの鉄道ネタを散りばめているところを見ると、小鳥遊の“鉄子ぶり”を生かすシーンも多く展開されそうだ。


 とにもかくにも、今クール注目度No.1のドラマになりそうだ。
(文=絢友ヨシカ/ライター)

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