令和の時代を迎えた1日、「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」「即位後朝見の儀」が行われ、新天皇が即位されたことを初めて国民にお示しになられた。
まず10時30分から行われた「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」で新天皇は、天皇の継承権を保持される方だけが保有を許される三種の神器のうち八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と草薙の剣(くさなぎのつるぎ)、天皇と日本国家の印鑑である国璽(こくじ)と御璽(ぎょじ)を侍従長より受け取り、承継された。
そして11時10分からの「即位後朝見の儀」で新天皇は、安倍晋三首相をはじめとする閣僚、三権の長、全国の地方自治体の代表者ら計266人の参列者を前に、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たす」とお言葉を述べられた。
「剣璽等承継の儀」には新天皇のほか、皇族方では皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)に就かれた秋篠宮さま、同3位で上皇さまの弟・常陸宮さまの成人男性皇族のみが同席。同2位で秋篠宮さまの長男・悠仁さま、新皇后に就かれた雅子さまをはじめとする女性皇族は同席されなかった。一方、安倍首相ら閣僚が参列したため、片山さつき地方創生担当相が唯一の女性出席者となった。
「今回、2つの儀式は天皇の国事行為として執り行われたため、閣僚全員が参列することとなったわけですが、儀式の具体的な内容や形式については、有識者を交えて政府で検討されてきました。そのなかで、時代の趨勢を鑑みたときに、果たして皇后を含む女性皇族が同席を許されないという形式にしてよいのかという点が議論になったものの、結局は前例踏襲ということで成人男性皇族に限定されました。もっとも、政府や宮内庁のなかにも異論があり、世論からも女性の地位を軽んじていると受け取られかねず、次の代替わりでは慎重に検討される必要があるでしょう」(皇室に詳しい記者)
また、別の記者もこう疑問を投げかける。
「上皇后になられた美智子さまが皇后時代にお務めになられたように、天皇、そして皇室と国民がよりよい関係を構築していくうえで、天皇をお支えになられる皇后が担われる責務は非常に大きいものです。その皇后さまが、皇位の継承を国民に示される剣璽等承継の儀への同席を許されないということについて、違和感を持つ国民も多いのではないでしょうか。
また、閣僚として参列した片山大臣は、同儀式では憲政史上初の女性出席者となったわけですが、片山大臣といえば国税局への口利き疑惑などが取り沙汰され、大臣としての資質に疑問が持たれています。そのような片山大臣が出席する一方、皇后をはじめとする女性皇族方が同席を許されないというのは、やはり納得感がありません」
ちなみにインターネット上でも「男性限定は時代遅れだが、女性の大臣が出席している時点で矛盾してる」「女性皇族がダメで大臣は女性でもいいんだね」「わけわからん」「バランス悪い」「男女差別」と疑問の声が上がっているが、令和という時代を迎え、新しい皇室のあり方が模索される必要があるもかもしれない。
(文=編集部)