手頃な価格で、毎日の便利グッズや生活品を揃えることができる100円ショップは、なにかと重宝する存在だ。なかでも「キャンドゥ」は、「ダイソー」や「セリア」といった業界大手のなかでは後進のスタートだったものの、今年3月末時点で1005店舗まで達しており、快進撃を続けている。
キャンドゥの創業は、バブル崩壊後の1993年。翌年からフランチャイズ展開を始め、2013年の20周年イヤーには白とオレンジが映えるデザインにロゴをリニューアルし、シンプルかつモダンな印象を与えるようになった。
奇をてらわない品揃えが支持を集めているほか、315円、525円と、価格によって取り扱い商品が異なる生活雑貨ショップも同時に展開中。キャラクターとのコラボ商品開発や、InstagramなどのSNSでの情報発信に積極的なのもキャンドゥの特徴だろう。
しかし、そんなキャンドゥにも「これはイマイチでは?」と首をかしげてしまうような商品が紛れ込んでいるのもまた事実。今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では独断と偏見で、キャンドゥの「買ってはいけないプチプラグッズ5選」をチョイスした。春の新生活シーズンで思わず「失敗した!」と後悔しなくてすむよう、参考にしてほしい。
●Laundry Hanger(20ピンチ)/108円(税込、以下同)
身も心も気分を一新したくなるこの季節、溜まった洋服を洗濯してスッキリしたいが、洗濯物を干すときにいちいちハンガーを使うのは面倒……なんてこともあるだろう。そんなときに活躍するのが、洗濯物を一度にまとめて干せる折りたたみ式のランドリーハンガーだ。ほとんどの100円ショップで取り扱っているので、馴染みの人も多いはず。
しかしキャンドゥの「Laundry Hanger(20ピンチ)」については、少々難ありだというユーザーの声も多い。というのもこのハンガー、プラスチックの耐久性が全体的に低く、特に枠の部分は、持ってみると簡単にクニャクニャ曲がってしまう印象を受ける。
もうひとつ、ピンチ同士が絡まりやすいというのも難点。ハンガーを広げていざ干そうというときに、絡まっているピンチをいちいちほどかなければならないのは、結構なストレスがかかる。また、プラスチック製のチェーン部分もつくりが粗く、絡まったままきちんと下を向いていない状態でうっかり干してしまうとテコの原理でパーツに負荷がかかり、思わぬ破損の原因になりかねない。避けたほうがベターなアイテムといえるだろう。
●スライドアーム式コンパクトバスタオルハンガー/108円
同じくハンガー製品で「買ってはいけない」に名を連ねるのが、「スライドアーム式コンパクトバスタオルハンガー」だ。毎日使うバスタオルをかけておくことができるお風呂場グッズなのだが、ユーザーを悩ませてしまう要素がいくつかある。
ひとつ目は、耐久性の低さ。ハンガー系の商品に共通していえるこの課題、残念ながらこの商品もクリアできていないようだ。一見するとほかのハンガー製品よりはしっかりとしたつくりに見えるのに、実は商品名にもある“スライド式”という部分が考えもの。横にグイッと長く伸ばすことで、一般的なバスタオルであれば折りたたまずに干せるようになるのだが、こうするとスライド収納時に比べて、耐久性がガクッと落ちるという声が上がっているのだ。
ふたつ目の問題点は、スライドを元に戻すときに発生。
●珪藻土 石けん置き 白/108円
洗面所やキッチンといった汚れがちな水回りは、いつでも清潔に保ちたいもの。特に石けんは、使っていると水分を含んですぐにヌルヌルになってしまうのが厄介だ。そこで役立ちそうなのが「珪藻土 石けん置き 白」なのだが、かなりマズいポイントがあるという。
そもそも珪藻土というのは、植物性プランクトンの珪藻の殻が泥と一緒に沈殿して化石化した岩のことで、超微細な穴がいくつも空いており、半永久的な調湿効果を期待できるのだそうだ。しかし“超微細な穴”という珪藻土ならではの特徴が、逆に欠点に変わってしまうケースもある模様。
なぜなら、この商品に濡れた石けんを置いておくと、石けんが溶け出し、珪藻土の穴に染み込む可能性があるから。やがて石けんが固まり、そのまま石けん置きとがっちりくっついてしまったという事例も報告されているようなので、機能的にもビジュアル的にもガッカリといわざるを得ないだろう。
●ふきんハンガー/108円
水回りの商品でもうひとつ、「ふきんハンガー」を取り上げたい。洗い終わった食器を拭くのに使ったふきんを、このハンガーに干しておけばきれいに乾いてくれるというアイテムなのだが、デメリットも少なくないようだ。
まずこのハンガーも、例によって耐久性に劣る。
また、根元の吸盤にも欠点が。商品の注意書きにも記載はあるのだが、直射日光の当たる場所では透明な吸盤がレンズと同じ役割を果たし、日光が一点に集まってしまうと、最悪そこから発火の恐れがあるというのだ。ふきんを干すなら日当たりのいいところに……と考えるのが普通だろうが、そこでわざわざ火事の心配をしなくてはならないのは致命的だといえる。
●大切なお洋服のホコリをとるブラシ/108円
最後に紹介するのが、「大切なお洋服のホコリをとるブラシ」だ。新生活シーズン、急な出張などで遠出をしなければならない場面もあるだろう。そんなとき、サッと拭いて身だしなみを整えられる携帯式のホコリ取りを持っているとよさそうだが、いったいこの商品はどこがダメなのだろうか。
最初の残念ポイントは、“靴べらとして使用できます”と謳われているカバー部分。別段ストッパーがついているわけでもないので、本当に靴べらとして使うと、グニャグニャと曲がりすぎてしまって心もとない。結局、カバーはカバーでしかないといえそうだ。
そしてもうひとつの残念ポイントが、本来の用途であるホコリ取りとして使うと、ブラシの赤い毛が抜けて、衣服に付着してしまいやすいということ。
今回選んだ商品のなかにはプラスチック製品が目立ち、これは108円という心強い低価格を実現するためには、仕方ないことでもあるのだろう。とはいえ、ほかの大半の商品は、アイデアや素材にこだわった高品質なものばかりだ。今回の記事も踏まえ、キャンドゥなどの100円ショップでの買い物を、積極的に楽しんでみてはどうだろうか。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)