バブルの頃に顕著だったのは、売れっ子文化人やミュージシャンにいきなり映画を任せてしまう動き。村上龍や鴻上尚史、武田鉄矢などは複数本演出したが、どれも酷い作品と酷評された。
ことに村上龍監督の『だいじょうぶマイフレンド』は、忘れがたい駄作として映画史に刻まれている。ピーター・フォンダ、研ナオコ、武田鉄矢、タモリらが出演し、サントラには坂本龍一、桑田佳祐、来生たかお、高中正義、上田正樹らが参加するという贅を尽くした作品だったが、制作会社がつぶれるくらいの大コケだった。
日本映画史に残る奇跡を起こしたのが、桑田圭祐の『稲村ジェーン』。映画は桑田の知名度のおかげか、そこそこのヒットを記録。しかし、サーファーの主人公が伝説のサーフボードを抱えなぜか山に登ったり、ラストでドラゴンが出現したりと、なかなかエキセントリックな内容。中身の評判は決してよろしくなかった。
ではなぜこの映画が奇跡なのか。それは、世界の北野を生むきっかけとなった作品だからだ。
なんと、この映画を見た北野武が「映画じゃない」と酷評したところ、桑田との喧嘩に発展。北野が桑田に反論する形で制作されたのが『あの夏、いちばん静かな海』だと言われている。
この映画で、北野武は監督として確固たる地位を獲得、その後の活躍はご存知の通りだ。桑田のトンデモ作品がなければ、世界の北野は存在しなかった?借金を抱えても二作目に挑んだガッツ石松
最後にスポーツ界から。
こうしてみると、映画を撮るまでは、割りと簡単にだとりつける。
無事に2作目を作っているタレント監督は、評価されていると見て良いだろう。
(文・編集部)
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