
インターネットやテクノロジーの発達により、24時間、世界中の誰とでもつながれる時代がやってきた。一方で、「一人ぼっちになるのが怖い」「いつも誰かとつながっていないと不安」など、新たな不安感に苛まれている人も増えているようだ。
年に5000本の科学論文を読み続けるサイエンスライターにして、7万部突破の話題書『最高の体調』の著者・鈴木祐氏は、現代人を苦しめる人間関係の不安について、次のように指摘する。
「人の脳は、もともと見知らぬ他人とうまく人間関係を作れるように設計されていないのです。人類は、狩猟採集民だった数百万年前から、『家族』や『顔見知り』といった小さな集団の中だけで生きてきました。生き延びるためには、近しい間柄同士での内向きのコミュニケーションだけで十分だったからです」
しかし対処法がないわけではない。科学的データに基づく、人と仲良くなるための3つのポイントを、鈴木氏に解説してもらった。
1.好意は「一緒に過ごす時間」で増える人と仲良くなるために、第一に重要な要素が「時間」です。
アイオワ州立大学のダニエル・フルシュカ氏は、2010年のレビュー論文で「良好な友人関係を保つためにはなにが必要か?」を調べ上げました。個人の性格やコミュニケーションスキル、社会的地位など、人間関係に欠かせない要素のなかから、重要度が低いものを取り除いていったのです。
結果、最後に残ったのは「一緒に過ごす時間の長さ」でした。