資格試験といえば、多くの人が一斉に1か所に集まる試験会場の様子を思い浮かべる人もいることでしょう。コロナの影響で、「密」な環境で受験する一部の資格試験が延期または中止となっています。

一方で、一部の資格試験ではオンライン試験を実施しています。

そこで、人気の資格の現在の状況と、感染リスクの少ないオンラインで受験ができる資格試験を紹介します。

気になる!人気の資格の今の状況は?

キャリアアップに役立つ人気の資格について、2020年10月現在の状況は次のようになっています。ぜひ参考にしてください。

TOEIC

概ね1ヵ月に1日、午前と午後の2回を全国のテスト会場で実施。
テストには定員が設けられ、申込受付は抽選方式となっているため、申し込んでもテストが受けられない可能性がある点に要注意です。

試験当日はマスクが必須で、体調不良等の場合は欠席が推奨されています。

抽選漏れや体調不良などによる欠席の場合、受験料が返金される点は安心です。
また、企業・団体・学校などでオンライン受験できる団体特別受験制度(オンライン)も実施されています。

受験希望の人は、所属している企業や大学に確認してみるとよいでしょう。

・英検

例年通り年3回、全国のテスト会場で実施。
試験当日は、級によって試験開始時間などが例年と異なる点に注意が必要です。
また、受験者や試験官のヘルスチェック実施やマスク着用などの感染症対策がなされています。

・簿記

全国の商工会議所で行われる年3回の試験に加えて、随時各地のネット試験会場で受験可能なネット試験を開始予定。
一部の商工会議所では、定員を設け、申込可能な居住地・勤務地などを限定しています。
希望の商工会議所が定員で申し込めない場合はネット試験を検討するとよいでしょう。

・FP技能検定

1級は年1回、2級と3級は年3回を全国のテスト会場で実施。
試験当日はマスク着用必須です。
状況によっては全国または一部の地域で中止の可能性があるため、公式の情報は適宜チェックしておきましょう。

・行政書士

年に1回、全国の試験会場で実施(令和2年度の試験申込受付は終了済)。
感染状況などによって試験会場が変更になる可能性があるため、受験する人は適宜公式サイトで情報を確認しておくと安心です。

試験当日は会場で検温をする場合もあります。マスクは着用必須です。
体調不良の場合は受験を断られることがあり、その場合受験料の返還や追加試験の実施はありません。

・マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)

月1~2回、全国の試験会場で受験する全国一斉試験と、全国各地の試験会場ごとに試験日が設定されている臨時試験の2種類があります。


感染状況によって試験が中止となる可能性があるため、適宜公式サイトや試験会場からの情報を確認しておきましょう。
試験当日はマスク着用が必須です。

・ITパスポート試験

月に一度、1日に3回を全国の試験会場で実施。
感染状況によっては試験が中止となる可能性があるため、適宜公式サイトを確認しておくと安心です。
試験当日は試験会場に設置されているアルコール消毒剤による手指の消毒やマスク着用が必須となっています。
また、会場で使用するマウスやキーボード、椅子などは都度消毒されるなど、感染症拡大防止対策が取られています。

あの資格がオンライン受験できる!?人気資格の現状と、オンラインで取れる資格

・宅建試験

年1回、全国の試験会場で実施(令和2年度の試験申込受付は終了済)。
定員に対して試験会場が不足する一部の都道府県では、別日に試験を実施する場合があります。
また、感染状況によっては試験が中止となったり、試験会場が変更になったりする可能性があるため、適宜公式サイトを確認しましょう。2020年10月現在で既に変更となっている会場もあります。
試験当日はマスク着用が必須です。

・中小企業診断士

第1次試験と第2次試験がそれぞれ年1回、各地の試験会場で実施(令和2年度の試験申込受付は終了済)。

特別措置として、令和元年度に第1次試験に合格した人は令和3年度まで、令和2年度に第1次試験に合格された人は令和4年度まで、第2次試験を受験できる期間が延長されています。

また、第1次試験の一部科目の免除の期間が2020年12月31日までに終了する人は、免除期間が1年間延長されています。該当する人は自分の有効期間を確認の上、今後の受験スケジュールを立てるとよいでしょう。

試験当日はマスク着用必須となっており、着用していない場合は受験できないため注意してください。携帯用手指消毒用アルコールや消毒作用のあるウェットティッシュなどの持参も推奨されています。

また、新しく受験する資格試験ではありませんが、既に取得している人も多い運転免許証の更新については以下のようになっています。

・運転免許証の更新

コロナの影響で運転免許証の通常の更新手続を受けることができない・できなかった人には特別措置が適用されます。
まず、免許証の更新期限が2020年3月13日~12月28日までの人は、運転免許センターや警察署などへ申出をすることで、更新期限が過ぎても3か月間は運転と更新が可能になります。

また、運転免許の失効から3年以内で、コロナなどの影響によって手続を行うことが困難であると判断される状況が止んでから1ヵ月以内であれば、再取得のための学科試験と技能試験が免除されます。
通常の再取得にかかる手数料も減額されるため、該当する人は手続きの際に係員に相談してください。

コロナでも安心!自宅でオンライン受験可能な資格

試験会場で受験する資格試験は避けたいけれど、勉強を続ける中で具体的な目標がほしいという人や、家にいる時間を使ってキャリアアップを目指したいという人は、自宅でオンライン受験ができる試験を検討してみてはいかがでしょうか。

オンライン受験可能な試験には、例えば次のようなものがあります。

・TOEFL

国際的に通用する英語テストとして有名なTOEFLが、感染対策として期間限定で自宅でオンライン受験が可能になっています。

TOEFL iBT(R) Special Home Editionと呼ばれるこのテストは、通常のTOEFL iBT(R)テストと同じ内容になっており、オンライン監視の下で受験します。

決まった日に受験する普段の試験と異なり、週4日24時間、最短で申込完了の翌日に受験可能な点も大きな魅力です。

主に海外の大学受験などアカデミックな目的で受験することの多いTOEFLですが、ひとつのテストで読む・聞くに加えて書く・話すの技能も測れるため、総合的な英語力の腕試しとして受験するのもひとつの手です。

・CASEC

CASEC(キャセック)は、インターネット環境がある場所ならいつでもどこでも受験できる英語テストです。1回40~50分間で、主にリーディングとスピーキングの力を測ることができます。

結果を即時で確認することができ、TOEICスコアと英検級の目安も表示される点も魅力のひとつです。

クレジットカードでチケットを購入すれば、購入後すぐに受験が可能です。

・英語.com

インターネット環境があればいつでもどこでも受験できるTOEIC模試です。

何よりも魅力的なのは、何度受験しても無料という点です。

分量はTOEICの半分の100問ではありますが、その分時間が短く、結果も即時確認できるため、勉強の成果や今の実力を手軽に確認するのに最適です。

・情報セキュリティ管理士認定試験

情報セキュリティに関して、専門職以外でも身につけておくべき内容を網羅した検定試験です。

企業において情報が益々重要になってきている今、学んでおいて損はない知識と言えます。

今までは通常の試験会場で試験を行なっていましたが、2020年9月より、オンライン・ライブ検定としてインターネット環境がある場所であればどこでも受験できるシステムの利用も開始しました。

特徴的なのは、専用の超広角Webカメラによって不正行為がないか監視される点です。より厳正な試験となる一方で、用いるカメラが条件を満たしていないと失格となる可能性もあり、受験前に必要なものをよく確認しておく必要があります。

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他にも、自宅ではなく全国に多数設置された試験会場のコンピュータを使って、比較的自由に時間を選んで受験できる形式のテストもあります。

同じオンライン受験でも、本人確認や試験中の不正監視ができるため、より厳密な試験となります。

試験会場に集まるとはいえ、同時にひとつの会場に大人数が集まる試験よりは、「密」な環境を避けることができる可能性が高いです。

CBT(Computer Based Testing)と記載されていることが多く、受験したい試験でこの形式が採用されていないか調べてみるとよいでしょう。

オンライン受験、準備しておくべきこととは?

自宅でオンライン受験をする際は、PC等の条件や、使用可能なブラウザ、PC等の設定、その他必要なものを公式サイトなどで確認し、必ず事前に全て揃えるようにしましょう。

何かひとつが欠けていることで、失格となってしまうかもしれません。

後悔しないためにも手間は惜しまないのが賢明です。

また、受験可能な時間帯や試験にかかる時間も予め調べておき、落ち着いて試験を受けられるように準備しておきましょう。

特に複数人で同居している場合、雑音が入ることで集中できなかったり、リスニングテストが聞こえなかったりしないよう、同居人には試験時間を伝えておき、協力を仰いでおくと安心です。

まとめ

多くの仕事でオンライン業務がメインになりつつあるwithコロナ時代。

資格についても会場に出向くことなく受験ができるものが増えています。また資格取得のための勉強なども、通学の必要もなく、オンラインで講義や授業が受けられるものも主流になっています。感染拡大が怖いからと諦めず、新たなスキルアップを目指して、これらを上手に活用していきましょう。

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