そのなかでも建設前からすでに200件以上もの問い合わせが殺到しているというのが、日本人建築家、安藤忠雄氏が手がけるマンハッタン・ノリータ地区のコンドミニアムです。
世界的に有名な建築家である安藤氏ですが、ニューヨークでは、ミートパッキングにある日本食レストランMorimotoの内装を担当したのみ。建築を手がけるのは初めてのこととあって、着工前から注目を集めています。
建設予定となっている152 Elizabeth Streetは最先端のブティックが軒を連ねるノリータ・ローワーイーストサイドとチャイナタウンの喧騒がミックスされたニューヨークの最旬エリア。
「この用地を見たとき、これは安藤さんをニューヨークに連れてくるチャンスだと言いました」とコンドミニアムのデベロッパーであるSumaida and Khuranaの創設者Amit Khuranaさん。4階建ての駐車場として使われていた用地の最初の印象についてこう語っています。「工場のようなエネルギーがあったのです。この用地は全てコンクリートでしたから」
「THE NEW YORK TIMES」より翻訳引用
工場や倉庫として使用されていた建物を高級コンドミニアムにコンバートするのはニューヨークで人気の手法です。モダンで独特なコンクリート使いで知られる安藤氏と、用地が持つ可能性が結びつきこのプロジェクトが実現したようです。
ビルのデザインはガラスの宝石箱がコンクリートに埋め込まれたような、用地が持っているもとの環境とコンクリートを組み合わせる安藤氏の典型的なデザインになる予定です。エリザベスストリートに面した南側の外壁は、秋には真っ赤に染まるツタを含むツルで覆われます。
「THE NEW YORK TIMES」より翻訳引用
気になるコンドミニアムのお値段は6ミリオンドルからのスタート。最上階、4ベットルームのペントハウスは30ミリオンドルを超える予定だそうです。
ダウンタウンのコンドミニアム1室が30ミリオンドルというのは、加熱するニューヨークの不動産基準からしてもかなりお値段。熱狂的なファンを持つ安藤氏が手がけるという付加価値はかなり大きいのだと思われます。
詳細は明かされていないものの、安藤氏はマンハッタン内にもう1件プロジェクトをかかえているそう。また、同じくプリツカー賞を受賞している坂茂氏もチェルシーにあるレジデンス、Metal Shutter Housesを手がけるなど、日本人建築家による建築が相次いて注目を集めています。
レンダリングを見るだけでため息がでてしまうほど、開放的で洗練されたオーラを放つ152 Elizabeth Street。1室を所有することは難しいかもしれませんが、安藤氏初のニューヨークでのプロジェクト、今から完成が楽しみです。
(白石里美)
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