生きている限り、進んでいくのが「老化」です。

時間を止めることは誰にもできませんが、それでも老化を遅らせるべく、運動や食事、コスメ等でアンチエイジングを実践している人も多いと思います。

そんななか、老化研究の世界的第一人者である、マサチューセッツ工科大学教授のレオナルド・グアレンテ氏が開発したアンチエイジング・サプリメントが、アメリカで話題となっています。

世界最高の頭脳が開発に携わったサプリ

ドラッグストアに行けば、「アンチエイジング」をうたったサプリ類を山のように見かける昨今。消費者の心をくすぐる魅力的なキャッチフレーズが並ぶものの、効果効能に関しては科学的な根拠に欠けるという意見もあります。

しかし今回、グアレンテ教授が発表した「BASIS」というアンチエイジングサプリが注目される理由は、その開発背景にあります。

5人のノーベル賞受賞者と世界のトップクラスの研究者たちのアドバイスを受けて開発されたという、サプリとしては類を見ない信憑性の高さがあるのです。

サイトにはかかわった研究者がすべて写真入りで載っているのですが、神経科学、生命科学、遺伝子研究、ガン研究等の権威がずらり。「BASIS」には、いわば、現時点での世界最高の頭脳が集約されていると言えるでしょう。

役に立つ成分を「一般の人に広めたい」と教授

じつは、グアレンテ教授のような高名な科学者が起業し、サプリメントを開発販売するのはめずらしいことなのだそうです。開発の動機について教授は、

過去5年間に、研究者たちは健康促進に極めて役立つ複合物について、新事実を多数発見しています。高い効果が期待できるそれらの知見を一般の人々に、彼らが病気にかかる前に広めたいと考えました。

The Boston Globe」より翻訳引用

と語っています。

食事でも運動でも止められない老化プロセスに対抗

「すごい人たちが作った」というのは別として、では「BASIS」は、普通のサプリと何が違うのでしょうか。

NADという老化に最も深く関係する体内の化合物は、時間の経過とともに減少します。若者にくらべて老人ではその量が半分になり、健康的な食事でもエクササイズでも、NADの減少を止めることはできません。

ところが、2013年のハーヴァード大学の研究によれば、2歳のマウスにNADを投与したところ、1週間後には細胞が生後6か月のマウスと同様になったのです。

こちらのサプリでは、NADの構成要素を含有し、より吸収しやすく、元々備わっているNADと統合しやすいように人間の体内での自然なプロセスを模倣しています。"

Fast Company」より意訳引用

ハーヴァードの研究結果はニュースで話題になったので、覚えている人も多いかもしれません。人間でいえば、60歳の細胞が20歳への若返りを果たしたのと同じだとか。まるで夢のような話ですね。

つまり、食事や運動に気をつけても止められない老化のプロセスを、私たちの体内にある物質を補うことで遅らせ、若返りを促進するサプリメント。NADは元々体内にある物質なので、副作用の心配も低いと考えられています。

一般人のエイジングは、科学者より30年遅れている?

老化は一朝一夕で起きるわけではないので、サプリの効果も目に見えて即わかるようなものではないのかもしれません。ですが、個人的に最も興味を引かれたのは、科学者たちの間で広まっているという「今後、老化は手当てできるものになる」という考え方。

開発にアドバイザーとしてかかわったスタンフォード大学の研究者スチュアート・キム氏は、

老化研究の世界では、爆発的といえるほどの科学の進歩が起きています。

(中略)私が思うに、老化に対する考え方について、一般の人は研究者たちよりおそらく30年は遅れているでしょうね。ちょうど、1960年代に我々がガンについて考えていたのと同じように。

Fast Company」より意訳引用

と語っています。

どんなにエクササイズや食べ物、健康に気を遣ったところで、これまで基本的には負け戦だったアンチエイジング。最先端の科学によってヒトは老化にどこまで立ち向かえるのか、今後が楽しみになってきました。

elysium health, Fast Company, The Boston Globe

image via Shutterstock

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