でも、「菓子折りでも持って...」という言い回しがあるように、「やっぱりお菓子」というシーンなら? お煎餅でしょうか。お煎餅、日本人ならきっと、大体の方(わたし含め)が好きでしょう。でも、「お煎餅ではない」というシーンもあるかと思います。
そんなときは、伝統的なフランス菓子を置く店で、甘くない焼き菓子を。今回は、代官山で愛され続けているパンとケーキのお店から、プチサイズの塩味パイをご紹介します。
代官山のシンボル『シェ・リュイ』でヒットし続ける焼き菓子缶ご紹介するのは、代官山の老舗『シェ・リュイ』。代官山郵便局のお隣には1975年に開店した本店、そのお向かいには、オープンテラスも印象的な姉妹店を構え、代官山の景色の一部として親しまれている、ブーランジェリー&パティスリーです。
代官山を歩いたことがある方なら、誰もがピンとくるであろう有名店。とはいえ、甘いものを好まない人なら、自分には縁のないお店だと思っているかもしれません。
実は『シェ・リュイ』には、知る人ぞ知る、甘くない名作があります。それが、"手塩にかけた塩味のパイ"とのコピーがつけられた「プティ・サレ・アペリティーフ」。手土産特集を組むような雑誌の編集者や、食にまつわる仕事をしているライターにとっては定番、いや殿堂入りの域でしょうか。
丸缶のフタを開けると、カラフルで小さなパイがぎっしり。その小さといったら、ひとくちサイズよりも小さい! でも、この小ささがまた良いのです。
「プティ・サレ・アペリティーフ」(小缶入り)
フランスでは古くから、ちょっとしたパーティーの際、アペリティーフとして小さな塩味のパイを作るのが定番。『シェ・リュイ』の「プティ・サレ・アペリティーフ」は、それをさらに小さくしたものだそうです。
砂糖は一切使用せず、お茶うけにはもちろん、ビールやウイスキー、ワイン、さらには日本酒にもよく合う、小さくも懐の広い缶。サクサクっと軽い歯ざわりのあとは、口溶けがよいのも特徴です。
味はオリーブ、コンブ、エビ、チーズ、ゴマ、ガーリック。一粒ずつがしっかりおいしいのですが、その6種類のコンビネーションがまた素晴らしく。一粒つまんで口に放ったら、しばらくは止まらなくなること必至。そこにお酒があったら、延々と進んでしまいます。
カラフルなのは、素材の色。着色料や化学調味料なども一切無添加で、油分はフレッシュバターのみ。
味、ビジュアル、日持ち、サプライズ感、どれもサラリとクリア。知っておけば、いつかきっと出番が来ると思います。
用途に合わせて、甘いクッキーとセットにもこちらの『プティ・サレ・アペリティーフ』、缶入りは大小2サイズ。大きい方をそのままきゅっとコンパクトにした感じの小缶は、小さくてもキチンと感が出るので、ちょっとした手土産にぴったり。
同じフォルムでフタが柄違いの缶に入った甘い焼き菓子の詰め合わせ「プティ・フール・セック」も秀逸。アーモンドをまぶしたり、フルーツを入れたりと、とても手間ひま掛けられたクッキーとメレンゲは、小さな「おいしい」をちょこちょこずっと楽しめて、こちらもサイズは大小あるので、「プティ・サレ・アペリティーフ」と同サイズでセットにして差し上げるのもおすすめです。
ホームパーティーなんかでは缶のフタを開けただけでテーブルに出せますし、甘いのとしょっぱいのを行ったり来たりしながら、会話にも花が咲くことでしょう。
小さいからってあなどれない。ひと粒ごとに予想を上回るおいしさに感動する、手土産界の万能選手。1年中、手土産リストのよく見えるところに置いておきたい名品です。
シェ・リュイ 代官山店電話:03-3476-3853
住所:東京都渋谷区猿楽町23-2
営業時間:9:00~22:00
http://www.chez-lui.com
※オンラインショップでも購入可
撮影/さくらい しょうこ