いまやヘルシーでおしゃれな食べ物として、海外でブームとなっている和食。2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、ますます注目されるようになりました。
1985年、高校生のときにオーストラリアから交換留学生として日本を訪れた当時、エリカさんは朝から味噌汁や焼き魚を食べる日本の食事にびっくりしたそう。ヨーグルトにシリアル、トーストといった朝食に慣れていたせいで抵抗を感じたものの、ホームステイをして和食を毎日食べるうちに、約1か月でニキビや肌荒れがすっかり治ったといいます。それが、エリカさんが和食のすばらしさに目覚めたきっかけでした。
エリカさんいわく、和食は世界一のアンチエイジングフード。ゆでる、蒸す、煮る、生食といった日本の調理法は、老化を進めるAGEs(終末糖化産物)を生成しづらいのだそう。
さらに、和食の一汁三菜は美ボディをつくる「奇跡のバランス食」。たんぱく質や良質の脂質、糖質、食物繊維、ビタミンやミネラルをバランスよく摂取することができるのが大きなメリット。しかも、
「糖質だけでなく、魚や大豆製品などのたんぱく質も同時にとるため、血糖値が急激に上がりにくく、ごはんを食べ過ぎない限り太ることはありません」
33ページより引用
とのこと。忙しいと手間のかかる一汁三菜は負担ですが、アンチエイジングとダイエットが両立できるとなると、意識して用意したくなります。
第2章「日本人が知らない和食材の美容パワー」では、海外で特に注目されている和食材についてスポットを当てます。
1. 緑茶を飲むだけでウエストシェイプおなじみの緑茶は、抗酸化作用が高いカテキンやポリフェノールが豊富。カフェインも含まれるので飲みすぎないようにしていましたが、エリカさんによると緑茶のテアニンに含まれるリラックス効果が、カフェインの興奮作用を相殺してくれるのだそう。
興味深いことに最近の研究では、「食事やライフスタイルを変えることなく、1日3杯の緑茶を飲むだけで、2か月で体重が平均1.2kg、ウエストが約2cm減った」という結果が出たのだそう。毎日、続けて緑茶を飲むことでおなか痩せできるなんて、嬉しい情報です。
2. 「Futomaki」がオーストラリアで大ブーム「Futomaki」とは、もちろん太巻きのこと。日本のそれとはちょっと違い、玄米や白米は少な目。そのぶん、「アボカドやスプラウト、パプリカなどの野菜や、サーモンやマグロなどの魚、ナッツ類や梅干しなど、ビタミン、ミネラル、フィトケミカル、たんぱく質などがしっかりとれる栄養価の高い食材」がたっぷりと使われているといいます。
この「Futomaki」がヘルシーなファーストフードとしてオーストラリアで人気を博し、1日3000個も売れるお店があるとか。おにぎりよりも様々な食材を入れやすく、見た目も華やかな「Futomaki」。手軽なランチや軽食として、日本でもブームになるかもしれません。
3. 100の栄養素を持つ魔法のきのここう聞くと、トリュフのような高級食材?......と想像しますが、じつは「しいたけ」というのですから驚き。
「しいたけに含まれる代表的な成分が、βグルカンや、レンナチン、ビタミンDなどで、これらの成分はすべて免疫を活性化する働きがある」といい、海外では薬効が高い食材として注目されているのです。
ビタミンDはきのこを天日干しにすると増えるので、干ししいたけを摂ればさらに効果的。海外ではスープやリゾット、カレーに入れるそうで、ぜひ真似したくなりました。
目から鱗、美人を作る和食論著書の巻末には「美人を作る新しい和食レシピ」として、パクチーを使った鶏の生姜焼きや、1杯でバランス良く栄養が摂れる具だくさん味噌汁など、エリカさんおすすめのレシピも掲載されています。
世界各地の料理に親しむあまり、和食から離れがちな私たち日本人。ミス・ユニバースの美を食から支えるエリカさんのアドバイスが、日本の食文化を見直すきっかけをくれた気がします。
エリカ・アンギャルさんオーストラリア・シドニー出身。1985年に交換留学で日本に初来日。以来、伝統的な和食と日本文化をこよなく愛す。2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントを務めた。「内側からより美しく、心も身体もすこやかに輝く」をテーマに、美容と健康のためのハッピーなライフスタイルを提唱している。
和食の食べ方を知れば、女性はもっと美しくなれる著者:エリカ・アンギャル
出版:学研プラス
定価:1,404円(税込)