休暇中にもメールをチェックしたり送ったりすることは、休んでいる自分自身のためにはならないだけでなく、部下の士気や会社の社風にも悪影響を及ぼしてしまいます。
「ハーバード・ビジネス・レビュー」は、上司が休暇中にメールを出す行為は、部下にも同じようにしなければならないというプレッシャーを与えると述べています。また、休暇中の上司からメールがくれば、部下のほうでは信頼されていないのでは、仕事を任されていないのではと感じることにもつながります。
なるほど。どちらの立場としても、心あたりはないでしょうか。
休暇に仕事を持ち込まないスキルアメリカ人の休暇について研究している団体「Project: Time Off」の調査によると、休暇中にメールをまったくチェックしない管理職は14パーセント。エグゼクティブレベルでは、わずか7パーセントなんだそうです。
休暇といえども誰もがメールをチェックし仕事をすることが当然となっている職場では、休みを取ることは尊重されていないと感じてしまいます。
テクノロジーのおかげで、いつでもどこでもメールがつながり仕事ができる状況になっているからこそ、仕事と休みをはっきり区別する、休暇や休日にメールをチェックするかどうかを見極める力も、21世紀のキャリアパーソンには必須スキルになっている気がします。
メールできる環境を限定するじつはわたくし、スマホではメールをチェックできないようにしました。だから、PCかタブレットが使えるときだけしかメールのやりとりができないんです。そうしたのにはいくつか理由があるのですが、スマホでは起こりがちなスペルや漢字のミスをとくに避けたかったのです。
多少の不安はありましたが、休暇中にスマホしか手元にないならメールをチェックできない状況を受け入れるしかない。慣れてきてあせらなくなりました。
職場や職種によってはそれが無理な場合もあると思いますが、チェックする回数を減らすなどして「休むときは休む。仕事はしない」という姿勢を貫きたいものです。
それが、自分のためだけではなく他の人のためにもなるのだったら、ましてや「休暇に仕事を持ち込まない」を実践したいものです。
[Harvard Business Review,Project: Time Off]
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