11月8日「いい刃の日」にグローバル刃物メーカー貝印が「環境」「未来」「より良い暮らし」をテーマにイベントを開催 。代表取締役社長兼COO遠藤浩彰さんと共に、ゲストとして情報学研究者のドミニク・チェンさん、モデルの冨永愛さん、俳優の板垣李光人さんを迎え、サービスや商品を通したウェルビーイングをテーマに、トークセッションが行われた。
誰もが自由に自分の毛と付き合えるように
イベントで配布された紙カミソリと冊子「FIRST SHAVE BOOK」。冊子は「ソリセツ」というネーミングもユニークだ。貝印が目指す「あじわいのある日々」は「環境」「未来」「より良い暮らし」の三つの柱で構成される。
イベント冒頭では、遠藤さんから貝印による具体的な取り組みが紹介された。
環境へのアプローチとして、2030年末までにディスポーザブルカミソリ分野でのCO2排出量換算半減を掲げていること。この目標の実現に向けて、原材料の見直しや廃棄物の再資源化、パッケージの低環境負荷資源活用を進めていきたいと意気込む。
そんな貝印のこだわりが詰まった、世界で初めて、紙と金属でできた「紙カミソリ」はプラスチックの使用量の98%削減に成功。2021年4月のオンラインサイト先行発売では、3日ほどで完売。国内のみならず世界中から大きな反響があり、量産体制を整えるべく準備をしてきたという。さらに、当日のイベントでは2022年3月より、紙カミソリの全国発売を開始することが発表された。
「カミソリなどの日用品も、まだまだ改善の余地がある。
また、貝印が取り組む「未来」へ向けての取り組みも語られた。同社が行った調査では、自分の毛が気になると答えた小中学生は94%、初めてのカミソリは家族のものを借りた小中学生が半分以上であることがわかった。
そこで貝印は、初めてのカミソリ体験を届ける「ファーストシェイブブック」を制作した。「年齢、性別に関わらず、全ての人がカミソリを正しく、楽しく使えるように」という思いが込められた冊子で、専門家が監修した正しい剃り方や毛の知識をポップなデザインで紹介。中には、組み立てて使える紙カミソリが同封されており、11月14日から原宿・表参道を中心に配布されるほか、ウェブサイトからもダウンロードすることができる。
さらに、「より良い暮らし」の実現のための「こと作り事業」として、従業員が会社でのスキマ時間で夕飯を作って持ち帰ることができる、世界初のサービス「the 3rd kichen」と、オンライン包丁研ぎ直しサービスを紹介。日常をサポートする製品を扱っているからこそのアイデア、包丁から考えるサステナビリティの視点が生かされ、唯一無二の取り組みになっている。
自分を解放することで、より良い状態へつなげる
イベントのゲスト、女優の冨永愛さん(左)と情報学研究者のドミニク・チェンさん(右)。ゲストの情報学研究者ドミニクさんとのトークセッションでは、ウェルビーイングの概念について、正しい認識が共有された。また、顧客のより良い状態を保つことに真摯に向き合い、ユーザーの用途やくせまでを理解して、ものづくりに生かす貝印の「野鍛冶の精神」はウェルビーイングに通じるところがあると、ドミニクさん。これには遠藤さんも、「グローバル刃物メーカーである貝印は、日常の一連の流れをサポートする立場として、こだわりを持って、ものづくりに向きあっている。そういった部分をぜひ知っていただきたい」と力強く語った。
また、イベントの後半では、モデルの冨永愛さんと俳優の板垣李光人さんが、ウェルビーイングについてのトークを展開。
日常生活のちょっとした場面に、潜在する「解放」の瞬間。そのままの自分こそが「良い」状態、ウェルビーイングの鍵なのかもしれない。
日常を見直すことで「あじわいのある日々」を。今回のイベントは、人によって異なる多様なウェルビーイングのあり方が共有され、それに触れることができる場となった。持続可能な社会に向けて「野鍛冶の精神」で貝印が描く「ものづくり」と「ことづくり」に期待したい。