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年々増える生成AIの需要。経済産業省によれば、生成AIの導入で2025 年までに約34兆円の経済効果がもたらされると試算されている(※参考)。

しかし、その一方でデジタルIT人材不足は日本における目下の課題で、ましてや生成AIスキルを持つ人材はいまだ多くない。

その解決策の一つとして、マイクロソフトはAI分野での女性人材育成を目指す「Code; Without Barriers in Japan (以下、CWBJ)」支援プログラムを開始した。2024年5~10月に実施した第一期に続いて、11月より第二期を開始する(参加無料)。

女性AI人材の育成が急務に

CWBJプログラムは、デジタル分野でのジェンダーギャップを縮小し、急成長するAI技術の普及を促進することを目的に、日本の女性を対象にスキルアップの機会を提供する。

第一期は約7,000人が参加し、うち2,500人がプログラムの修了証にあたるデジタルバッジを取得した。参加者の約80%が生成AIを初めて体験し、AIスキルの必要性を実感したという。

このプログラムの背景には、日本の労働市場における深刻なデジタル人材不足がある。冒頭で述べた経済産業省による試算とともに、デジタルスキルを持つ人材の不足が喫緊の課題だ。また、マイクロソフトの最新年次報告書「2024 Work Trend Index」によると、71%の上司が「AIスキルがない経験豊富な人財よりも、経験が浅くてもAIスキルがある人財を採用する傾向にある」と回答しており、新たな雇用のトレンドとして、AI活用スキルへの注目が集まりつつある。

マイクロソフトが調査したAI人材に関するトレンド。66%のリーダーが「AIスキルがないと採用しない」と回答。 画像提供/マイクロソフト

これを受けて日本マイクロソフトは、今後3年間で300万人にリスキリングの機会を提供する計画を出した。本プログラムもその一環として展開され、具体的には、2027年までに、女性 AI エンジニアや生成AIサービスである Copilot を活用する人材の育成に向けて、パートナー企業および団体と連携して30万人にスキリング機会を提供していく。

「AIを使う」「AIを創る」の2つの学習コース

CWBJは、参加者がビジネスでのAI活用スキルを学ぶ「AIを使う」コースと、AI開発スキルを学ぶ「AIを創る」コースの2つのコースから成り立っている。「AIを使う」コースでは、AIの仕組みやプロンプトエンジニアリング、Microsoft 365 CopilotやPower Platformを用いた業務の効率化手法が学べる。「AIを創る」コースでは、Azure AIを用いたAIアプリケーション開発や生成AIソリューションの実装スキルを習得する内容が組まれている。

CWBJの学習ジャーニー。最大11のステップにわかれ、ツールの使い方ノウハウだけでなく「多様性について考える」といったマインドセットに関する講座も共通科目として用意されている。 画像提供/マイクロソフト

学習は段階的に進み、基礎から応用までを学ぶ「学習ジャーニー」に沿ったカリキュラムが組まれており、受講者は進捗に応じたデジタルバッジを取得することができる。第一期参加者からは、「AIを使う」コースで日常業務が効率化され、より多くの時間を他の業務に集中できるようになったといった声や、「AIを創る」コースで実際にAIサービスを構築できたことでスキルの向上を実感できたとの感想が寄せられた。

第二期から新たなパートナー企業が参加

第二期の開始にあたり、サイバーリンク、パーソルテンプスタッフ、ベネッセコーポレーション、Warisなど、4社が新たにパートナー企業として加わった。日本マイクロソフトはパートナー企業と連携し、より多様な業界や企業が女性のAIスキル育成を支援する体制づくりを行っていく予定だ。

プログラムについて: https://www.microsoft.com/ja-jp/codewithoutbarriers/

参加登録フォーム(参加無料): https://www.microsoft.com/ja-jp/codewithoutbarriers/Registration

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