「変えられないものを変えようとしても仕方がない。平常心。そういうことで心を乱すことにエネルギーを使うのは違うかなとマインドをセットしている。去年くらいから、やれることをやっている上で結果が伴わないのは仕方がないと思うマインドを意識している」と石川柊太は静かに話す。
屋外球場であるZOZOマリンスタジアムを本拠地で投げる上でいろいろな不確定要素は生じる。雨の日もあれば風が強くて投げづらい時もある。現に移籍後初先発のマウンドは雨天中止でスライドとなった。プレーの中にラッキーなことも起これば、逆に失策やポテンヒットなどアンラッキーな事もある。そんな時に「自分の力で変えられないものを変えようとしても仕方がない。
ただ石川柊太の場合は平常心でマウンドに上がるわけではない。「平常心がゼロだとすると、燃えるような状況であるプラスも勝負の場では必要。だからマウンドに上がる時は自分を燃え上がらせる悔しい想いとか起爆剤をあえて探し、それをエネルギーというかアドレナリンにする。そういう技術も大事だと思っている」と説明する。
普段は心をフラットに保つが、マウンドという戦いの場に上がりボールを投じる時はまきに火をつけ、燃やす。まきは悔しい体験であることもあれば、守りたい人を想うことであったりもする。「マウンドではやるかやられるか。その瞬間だけは心を着火する必要がある」と独特の表現で説明をする。
その意味では6月28日、ZOZOマリンスタジアムでの試合は燃える材料があった。相手は古巣ホークスだ。
「悔しかったりとかそういう気持ちを起爆剤、エネルギーにしていく。自分の中で試合に向かって気持ちを高ぶらせる材料を常に持ちながら。ただ試合が終わってしまったらいつも前向きに平常心で。そういうメンタル的な技術を考えている。それは去年の戦いの中で感じたこと」と石川柊太。常により良いピッチングをするためにも心も身体も磨いていく。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)