銚子市沖など3海域で進めてきた洋上風力発電所の建設計画から撤退すると発表した三菱商事の中西勝也社長は28日、千葉県庁を訪れ、熊谷俊人知事に「地域の皆さんの期待を裏切り申し訳ない」と謝罪した。熊谷知事は「大変遺憾だ。
準備をしてきた県、地元ともに御社に振り回された形になった。撤退という結論だけでは済まされない」と語気を強め、今後の地域振興で継続した取り組みを求めた。(池田和弘)     
 中西社長は「洋上風力はいったん引くが、地域の共生については引き続き真摯(しんし)に話をさせてほしい」とも述べ、責任を果たしていく考えを示した。面会は冒頭以外非公開。県によると、同社が撤退発表前の27日午前に打診した。
 同社の洋上風力は秋田県沖の2海域を含めて計画されていたが、建設費用が4年前の入札時の見込みから2倍以上に膨らみ採算が合わなくなっており、中西社長から撤退に至った理由として説明があったという。
 今回の建設計画は再生可能エネルギー確保に加え、過疎化が進む銚子市の発展の起爆剤として期待が大きい。県は洋上風力発電のメンテナンスの拠点として名洗港(同市)の整備に支出分を合わせて総額で約48億円を投じる予定だ。
 それだけに、約12分間の面会を終えて記者団の取材に応じた熊谷知事は「県も地元も納得はできない」と改めて強調。地域振興策として漁業支援や雇用創出を掲げてきた同社の「責任の果たし方」については「具体的に協議していくことが重要。今後の取り組みの中で誠意を見せてほしい」と語った。
 面会前の定例記者会見では、今回の教訓を踏まえて「政府には事業が完遂し、かつ持続可能な制度を検討した上で、銚子沖での再公募を含めて責任を持って進めてほしい」と要望した。
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