歌舞伎俳優で成田屋の屋号を持つ市川團十郎白猿さん(47)が31日、十三代目團十郎の襲名披露興行で展示した襲名記念クロックを成田市に寄贈した。なごみの米屋スカイタウンホールで開かれた式典では歌舞伎講座が用意され、團十郎さんが講師を担い、中学生が立ち回りや見得(みえ)を体験した。

 同クロックは、2022年10月から約2年間行われた襲名披露興行で、歌舞伎座や博多座など主要劇場に置かれて襲名までのカウントダウンなどが表示されていた。今後、スカイタウンに展示され、現在時刻と團十郎さんが出演する市内の観光PR動画を放映する。團十郎さんは名前を揮ごうした絵馬も市に贈った。
 式典は市内の中学生と保護者ら約180人が観覧。歌舞伎講座では、生徒3人が團十郎さんと弟子の新八さん、福五郎さんから直接指導を受け、斬り合いなどをする立ち回りを体験した。生徒全員が舞台に立ち、團十郎さんと見得を披露する一幕もあった。
 團十郎さんが参加者の質問に答えるコーナーもあり、印象に残っている公演を問われると「全部覚えている」と強調した上で20歳で、初めて演技した勧進帳やパリ・オペラ座での舞台を一例に挙げた。毎日のルーティンについて聞かれると「早朝から瞑想(めいそう)やパソコン作業、ジムでのトレーニングなどをする」と答えた。
 立ち回りと質問をした中学3年の佐々木空輝さん(15)は「有名な人と一緒に演技できてうれしい。今後は歌舞伎座で見てみたい」と話した。
(渡辺翔太)
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