いすみ市がホームページ(HP)で公開していた農地の「地域計画」資料で、黒く塗りつぶしたはずの個人名や法人名計5162件が約5カ月間、パソコンのコピー操作などで判明してしまう状態になっていたことが29日、市への取材で分かった。該当ページは同日現在、非掲載となっている。
市は今後、国に事案を報告するとともに、対象者にHPを通じて謝罪するとしている。
 市が公表していたのは、改正農業経営基盤強化促進法に基づき、地区ごとにまとめた「地域計画」のPDFファイル。見た目は黒塗りされていたが適切な処理がされておらず、「農業を担う者」欄に記載された利用者や認定農業者の名前が、コピーとペースト(貼り付け)の操作をすると表示される状態になっていた。
 資料は今年4月から公開。不備に気付いた外部の人から9月6日に市に指摘があり、同8日にページを非掲載にした。現在PDFデータは修正済みで、近日中に再掲載する予定。これまでに悪用事例は確認されていないという。
 市農林課の担当者は「PDF化すれば文字を操作できないと誤認していた」と説明。市は今後、全庁で事例を共有し再発防止を図るほか、国の個人情報保護委員会へ報告し、市HPで対象者への謝罪や経緯説明を行うとしている。
(山崎恵)
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