地獄のキャンプとして話題となった宮崎県都城市で行われたマリーンズの秋季キャンプが打ち上げとなった。10月29日にスタートして11月17日まで。
初日の歓迎セレモニーでサブロー監督は「伝説のキャンプを超えるような地獄のキャンプになります」と宣言してスタートした。
 初日からハードだった。野手は徹底的にバットを振り、練習終了後に倒れ込む選手が続出した。しかし、一つだけ言えるのはそこにはつねに選手たちの笑顔と充実した表情があったということだ。
 「明るいのがいい。キツイ練習を無言でずっとやったら、そりゃあキツイ。笑いながらだけど、キツイ練習をする。それがいい」とサブロー監督は満足そうに言った。
 「昭和のような地獄のキャンプ」と称したことで室内練習場には昭和の名曲がBGMとして流れた。これは池田来翔内野手のセレクトだった。選手たちも指揮官のセレモニーでのスピーチを思い返し、「伝説のキャンプを超えるぞ」と大きな声で言い合い、励まし合いながらメニューを消化していった。コーチ陣も単調なメニューにならないようにゲーム性のある練習法を取り入れるなど、工夫をこらしながら選手たちを鍛え続けた。
ムードは明るく、お互いに笑顔があり、笑いがあった。
 「ボクの現役時代の経験則からして、それがいいなあと。やっぱり、上手いコーチは乗せてくれる。数が増えても、雰囲気に乗せられて疲れても動きがよくなって、そして出来ることが増えていく。コーチみんなにもそういうところは意識をしてもらいました」と振り返る。
 また最終クールからは身体能力をアップさせる指導で定評のある栗原嵩氏をハイパフォーマンスコーチとして招き入れた。選手たちに新しいトレーニングの考え方、身体の動かし方を学んでほしいとの指揮官の提案だった。また土日祝日には練習の合間に球場正面で臨時サイン会や宮崎名物の鶏の炭火焼きが選手から振る舞われるイベントなども実施された。ただ、厳しいだけではない。サブロー監督の様々な工夫と、想いがあふれる秋季キャンプとなった。
 しばしのオフを挟んで来年2月1日、1軍は再び宮崎県都城市でキャンプインの時を迎える。「春も厳しいキャンプになるのは間違いない」とサブロー監督は表情を引き締め直し、前を向いた。
最下位からの大逆襲へ。新生マリーンズが動き出している。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)
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