完全復活を告げるアーチを架けた。西川史礁外野手が3月20日のドラゴンズ戦(バンテリンドームナゴヤ)でオープン戦1号2ラン。
逆方向に力強く打ち放った。
 「逆方向に打てたのが一番、よかった」と西川。
 普段から打席では無心でスイングする状態が最高と捉える男は「そこにボールが来たから打ったような感覚」と独特の表現で、一撃を振り返った。
 宮崎県都城市での1次キャンプ打ち上げ直前の2月10日に右前腕屈筋を損傷。無念のリタイアを余儀なくされた。予定されていたサポートメンバーとしての侍ジャパン参加も辞退。悔しい日々を送った。
 「野球が、とにかくめちゃくちゃやりたかった。今まで一番というくらい。みんなが動いている姿を見て、悔しかった」と西川は当時を振り返る。気持ちの整理はなかなか難しかったが、サブロー監督から「とにかく焦るな。しっかりと治せ」と声をかけてもらい、切り替えた。

 「話をさせてもらって気が楽になった。逆に、その期間にしっかりとウエートなどフィジカルトレーニングをしようと切り替えた。それしかできなかったから。毎日、身体を鍛えた。今、思うとその期間がよかった。それしかできなかったけど、治った時に身体的にレベルアップして戻れるように、常にやっていました」と話す。
 自身のインスタグラムにはファンからたくさんの応援メッセージをもらった。励みになった。そして改めて野球と向き合い、「こんなに野球が好きなのだという自分に気がついた」と言う。
 オープン戦1号本塁打の試合後も背番号「6」はすぐには帰路につかなかった。ベンチ裏のスペースでティー打撃を約1時間。現在、取り組んでいることをチェックした。
「自分の中でやりたいことがある。それは日々、練習をやっていかないと固まらない」と、どこまでも貪欲だ。
 プロ1年目に新人王に輝いた若者は今年、さらなるタイトル獲得を狙う。「首位打者を獲りたい」と西川は目を輝かせる。新たなシーズンの号砲が鳴った。いよいよ注目の2年目が始まる。アクシデントを乗り越え、完璧な状態でシーズンインを迎える。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
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