Text by CINRA編集部
Netflixの新作3作品が発表された。
9月に日本でのサービス開始から10周年を迎えるNetflix。
戸田恵梨香が主演を務める『地獄に堕ちるわよ』は、「アンタ死ぬよ」「地獄に堕ちるわよ」といったキメゼリフで昭和から平成にかけて国民を熱狂させた占い師・細木数子の半生を描いた作品。監督を瀧本智行と大庭功睦が務める。2026年に配信。
役所広司が主演を務め、脚本家・宮藤官九郎とプロデューサー・磯山晶がタッグを組んだ『俺のこと、なんか言ってた?』。ロンドン・シェイクスピアグローブ座で日本人初主演の栄光を勝ち取った高瀬川玄は、とある理由から日本に帰ることができず2年ぶりの帰国を果たすが、承認欲求を持て余す彼にとって、世界から完全に忘れ去られてしまうという最大の悲劇が訪れるというあらすじだ。2026年に配信。
『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』は、19世紀末のアメリカを舞台に、史上初の乗馬による北米大陸横断レースを描いた物語。元天才騎手でありながら半身不随となった主人公ジョニィ・ジョースターが、謎のアウトロー、ジャイロ・ツェペリと出会い協力関係を結び、ともに北米大陸を横断する過酷なレースに挑む。木村泰大監督らが参加。
【戸田恵梨香のコメント】
私は細木数子の存在を知っていてもどんな人物なのか知らなかった。
ただ派手な占い師がテレビに出てきただけかと。
みんな占いが好きなんだなぁと、それだけだった。
そんな関心が全くないガハハハと豪快に笑う占い師を私がやるなんて誰が思った???
似ても似つかない遠い人だ。
きっと皆さんも戸田恵梨香がやるなんてふざけているとでも思っていらっしゃることだろう。
だがこの物語は、皆さんが知らない、ちょっと昔に本当にあった細木数子の人生が描かれていて、きっと皆さんをこの世界に没入させ、翻弄させてくれるに違いない。
この占い師がなぜ社会現象を巻き起こし夢中にさせたのか、目撃してほしい。
【瀧本智行監督のコメント】
細木数子が嫌いだった。テレビに映る度、チャンネルを変えるほどに。にもかかわらず、この無謀な企画を引き受けてしまったのには二つ理由がある。細木は「女の履歴書」という自伝を書いている。嘘や誇張も数多いが、それを含めて戦後の極貧から成り上がって行く彼女の知られざる半生は滅法面白い。愛、裏切り、野心、邪心、保身……古典的なドラマで溢れ返っている。コンプライアンスにがんじがらめになっている今、その時々の欲望に忠実に生きた彼女のエネルギッシュな姿が、とても魅力的に映ったのだ。
【岡野真紀子(エグゼクティブプロデューサー / Netflix)のコメント】
戸田恵梨香さんは、50年にわたる数子を圧倒的な説得力で生き抜き、妖艶さとチャーミングさを同居させて観る者を惹きつけます。その凄みとエネルギーに、私自身も圧倒されました。数子は救世主か、悪魔か―欲望に忠実で、転んでもタダでは起きない。その徹底した生き様には羨ましいほどの生命力と野生が溢れ、気づけば“もっと先を見届けたい”という欲望が掻き立てられる。心から「あっぱれ!」と叫びたくなりました。Netflixが贈る新たなダークヒーローの誕生を、ぜひご堪能ください。
【役所広司のコメント】
宮藤官九郎さんの緻密で、ぶっ飛んでて、笑えて、妙に感動的な素晴らしい脚本を元に、猛暑の中スタッフ、キャストと共に楽しく撮影頑張っています。
今回、人生二度目の『俳優役』をいただきました。
撮影は年を跨ぐ長丁場になりますが、皆さんに楽しんで貰える作品になるよう最後まで頑張ります。
【宮藤官九郎のコメント】
役所広司さんが、俺の書いたしょうもない台詞にまで全身全霊を注いでくださる。
現場の磯山さんが逐一報告してくれる。「今日も最高でした」と。
脚本家にとってこんなに嬉しいことはないわけです。
俳優や脚本家に限らず、SNSのアカウントを取得している人なら誰だって承認欲求を持て余し、演じたり、盛ったり、加工したり、夜中に余計なこと呟いて自己嫌悪に陥ったりする。
しょうがない。配信されたら俺だって「誰か『俺のこと、なんか言ってた?』のこと、なんか言ってないか?」とエゴサーチするだろう。
そういう人間の厄介な性質を、否定も肯定もせずコメディとして描きました。お楽しみに。
【磯山晶(企画・プロデューサー)のコメント】
ちょっとだけSF的設定がありますが、とてもストレートなヒューマンコメディです。肥大した「承認欲求」を持った還暦過ぎの男が、ある事情から人生をやり直し、生きる意味を知っていく物語です。
宮藤さんとこの企画を考え始めた時は、まさか役所広司さんがやってくれるとは思ってもみませんでした。でも今は考えれば考えるほど役所さんしかいなかったと思っています。信じられないほどいろんなことに挑戦し、いろんな顔を見せてくださり、とにかく必見の人間ドラマになりました。どうぞお楽しみに。
【岡野真紀子(エグゼクティブプロデューサー / Netflix)のコメント】
脚本を拝読し、声を出して笑いながら読み進めていくうちに、気がつけば思わずほろりと涙がこぼれていました。そして主人公・高瀬川を役所広司さんが全力で演じる姿は、哀愁に満ちていて、チャーミングで、愛おしくて仕方がないのです。
人間は滑稽で、不器用で、でもだからこそ愛おしい。
最高のチームが全力で「人間」を描き切ったとき、どんな魅力的な作品が生まれるのか。今から胸の高鳴りが止まりません。
【木村泰大監督のコメント】
「スティール・ボール・ラン」は、壮大なレースを通して登場人物がそれぞれの信念を懸けて走り抜く姿を描いた物語です。


