Text by CINRA編集部
キュンチョメの個展『あいまいな地球に花束を』が4月15日より東京・神谷町のGallery & Restaurant 舞台裏で開催される。
キュンチョメは、ホンマエリとナブチによるアーティストユニット。
【主催者コメント】
麻布台ヒルズ内「Gallery & Restaurant 舞台裏」では、2026年4月15日(水)より、アーティストユニット・キュンチョメによる個展『あいまいな地球に花束を』を開催いたします。
ホンマエリとナブチによって結成されたキュンチョメは、東日本大震災を契機に活動を開始しました。ふたりは、人間中心主義を超えた「新しい愛のかたち」を探求し、想像力とユーモアに満ちた作品を発表し続けています。本展に集うそれぞれの作品に共通して横たわっているのは、地球に対する悠久のまなざし、そして愛と平和への希求です。
東京では初公開となる映像作品『Ghost in the Sea』においては、人間の形をしたビニール袋のかけらがよるべなく海を漂っています。プラスチックは、本来の自然界にない人工的物質であり、分解されることなく環境に留まり続けます。循環の輪に寄与することなく、大海を泳ぐ魚の大群の中を彷徨うプラスチック片は、まるで自然環境と私たち人間の関係性を暗示しているようでもあるでしょう。
また、本展の標題を冠した『あいまいな地球に花束を』に刻まれているのは、どこかあやふやで不正確な世界地図です。これらの地図は、世界各地の人々が記憶だけを頼りに描いたもの。曖昧な輪郭を「正しいかどうか」でジャッジするのではなく、不完全さをありのままに祝福することは、輪郭を二項対立の緊張を解きほぐすための根源的な実践かもしれません。
大海に身を委ね、地球と自分の関係を見つめ直すとき。誰かの頭の中にある曖昧な地球のかたちを愛しく思うとき。あるいは、私たち人間の寿命よりもっと長く存在し続けるものに寄り添い、世界の平和を祈るとき。ぜひ会場で、この「あいまいな地球」に満ちる想いを受け取ってください。
【キュンチョメのコメント】
あいまいなものをあいまいなまま受け入れること。
それが実は愛とか平和に繋がる、すごく大切なことなんじゃないかと思いました。
あいまいさは、正しさと間違い、善と悪、のような二項対立に陥りがちな局面に新しい道をもたらしてくれます。逆説的に考えると、あいまいさを受け入れられないと、この世界には「正しいか、間違いか」「善か悪か」しかないことになってしまいます。自分のあいまいさを受け入れられないと苦しくなりますし、他者のあいまいさを受け入れられないと争いが生まれます。だから私は、自分のあいまいさも、誰かのあいまいさも全部祝福したいと思いました。
この展示のタイトルになっている作品『あいまいな地球に花束を』は、地球儀の形をした花瓶です。でも、ただの地球儀ではありません。
祝福すること、祝福を受けとること、そして分かち合うこと。
それが平和のために必要なのだと思うのです。
今回の展示では、
自分とは異なる形のものから愛や痛みを受け取ること。
あいまいさを祝福すること。
そして長い時間を待つこと。
それらを通して、祝福し、祝福され、分かち合うための方法を描きます。
どれもとてもシンプルで、今日からだってあなたにできることです。体の力を抜いて一片の詩を読むような気持ちでお越しください。
その気持ちを祝福します。
あいまいな世界に花束を。
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