「これからのKis-My-Ft2」が詰まった作品。『Dome...の画像はこちら >>



Text by 原里実



Kis-My-Ft2(キスマイ)が2024年6月より開催した全国3大ドームツアー『Kis-My-Ft2 Dome Tour 2024 Synopsis』。本ツアーの東京ドーム最終公演の模様を収録したライブDVD&Blu-rayが、3月5日に発売される。



本ツアーは、Kis-My-Ft2にとって10枚目のアルバム『Synopsis』を引っ提げて開催された。アルバムタイトルである『Synopsis』は、「あらすじ」の意味。6人体制になって最初のアルバムであることもふまえ、「これから始まるKis-My-Ft2のストーリー」をコンセプトにした作品だ。



『Synopsis』アルバムジャケットには、メンバー6人が楽しそうにゲームをプレイする様子が写し出されており、リード曲“Loved One”のMVではゲーム会社で働くスタッフに扮した映像を展開。これを踏襲した今回のツアーは、「ゲーム」をコンセプトに世界観がつくりあげられている。



各メンバーが勇者や魔法使いなどのキャラクターに扮し、RPGの世界に入り込んだオープニング・エンディング映像をはじめ、テレビを中心にステレオや冷蔵庫、洗濯機などさまざまな家電や家具を模したカラフルなステージセットなど、見る人をドキドキ・ワクワクさせてくれるキスマイらしい遊び心と、「ファンを楽しませたい!」という想いにあふれたステージだ。



そんな明るく楽しいステージとは裏腹に、表舞台に向けてひたむきに自らと向き合い、メンバー同士で切磋琢磨し合う姿が、初回盤Aの特典映像『Synopsis DOCUMENTARY MOVIE』には収められている。



Kis-My-Ft2は、2025年の8月10日でデビュー14周年。年齢的にも30代半ばを迎え、アイドルとしても中堅のポジションに差し掛かってきた。俳優業や声優業をはじめ、バラエティやラジオ番組への出演、料理雑誌でのレシピ連載、小説執筆、アート作品の個展開催など、それぞれの好きなことから派生した個人での仕事も着々と増えている。



長くグループとして活動を続けるなかでは、時に一筋縄ではいかないことや、ぐっと踏ん張らなければならない瞬間もあるだろう。時を経ても大切なものは変わらずに残しつつ、しなやかに変化しながらグループ活動を続ける、まさに「これからのKis-My-Ft2」の姿がしっかりと伝わってくる作品なのではないだろうか。



本公演の演出は、かねてからグループのライブ演出を手がける二階堂高嗣が担当している。また、アルバム『Synopsis』にはメンバーそれぞれがプロデュースした楽曲が収録されているため、それらの楽曲をライブでどのように表現するか、メンバー同士でやりとりしながら磨きあげていったステージだ。



「これからのKis-My-Ft2」が詰まった作品。『Dome Tour 2024 Synopsis』DVD&Blu-rayが発売

Kis-My-Ft2(左から、千賀健永、宮田俊哉、横尾渉、藤ヶ谷太輔、玉森裕太、二階堂高嗣)



千賀健永がプロデュースし自ら振り付けも行った“Keep it 100”は、オープニングを飾ったアルバムリード曲“Loved One”に続く2曲目で、会場のボルテージを爆上げ。二階堂高嗣プロデュースの“Connecting!!”は、楽曲制作段階から意識していたというファンとのコール&レスポンスで温かな一体感をつくりあげた。



横尾渉プロデュースの“ほしゆい”は、女性ダンサーとの絡みのなかで見られるメンバーのセクシーな表情が見どころ。バッハの“G線上のアリア”をサンプリングした藤ヶ谷太輔プロデュースの“With...”は、儚くも美しい楽曲の世界観をステージ上でも見事に表現した。



宮田俊哉がプロデュースした“B-SIDE”は、人間の「表と裏の顔」をテーマにした楽曲。メンバーの顔が半分になったり、他のメンバーの顔とくっついたりする映像や、レーザーを使った演出による「デジタル」感も曲の世界観と相乗効果を生んだ。火花やファイヤーボールなど派手な演出を取り入れ、激しいダンスで魅せる玉森裕太プロデュースの“WANI-WANI”は、本編のラストを飾った。



先日は、2025年6月21日からアリーナツアーを開催することを発表したKis-My-Ft2。どんな新しい姿を見せ続けてくれるのか、今後の活動からも目が離せない。

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