「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。
全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、愛知県名古屋市今池にある「呑助飯店」だ。

名古屋・今池。
名古屋市千種区にある今池は古くからの繁華街・歓楽街で、台湾ラーメンの元祖「味仙」や人気店「ピカイチ」、その他多くの中華料理店や有名ラーメン店がひしめき合うエリア。

今回はそんな今池エリアで通が通う超こってりラーメンのお店を紹介したい。
その名も「呑助飯店」だ。


1950年創業のこのお店の名物メニューは、なんといっても「重油ラーメン」と呼ばれる油こってりのラーメン。
正確には「ラーメンA(伝統の油こってり濃い口)」という。価格は650円とリーズナブル。

1950年の創業時から火を止めずに炊き続ける継ぎ足しスタイル。
豚骨、野菜、タマネギ、ショウガ、豚の脂をとろ火で煮込んでいるそう。

具はチャーシュー2枚、メンマ、ネギ。
麺は中太ストレート。
スープの油の層と漆黒の色に目を疑う。下から掬うと醤油の濃い部分が出てきて、二層に分かれている。

おそるおそるスープを啜ると、油のアツアツの後に醤油が来て、その後重油感がふわんと漂う。これはキケンな感じ。決して味が濃すぎることはないが、油感が本当に凄い。

麺を啜ると自動的に重油が上がってくるので、スープは飲まなくても十分に楽しめる。もはや社会科見学的な一杯だ。

そして裏の超人気メニュー「呑助特製餃子」も忘れずに。

おばあちゃんがカウンターの手前のところで餃子を焼く。
小ぶりで長細い餃子が7個。
この餃子、なんと餡が白い。
タマネギの存在は確認できるが、あとはラードか。
とにかく不思議な餡だが、これが旨味たっぷりで美味しい。

さすがファンが多いだけあって、みんな重油ラーメンをズルズルと啜っている。
これぞ名古屋下町のスタイル。ぜひお試しあれ。

吞助飯店
愛知県名古屋市千種区今池5-14-8
052-731-0396

井手隊長 いでたいちょう 全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。
東洋経済オンライン、AERA dot.などでの連載のほか、テレビ番組出演・監修、コンテスト審査員、イベントMCなどで活躍中。 自身のインターネット番組、ブログ、Twitter、Facebookなどでも定期的にラーメン情報を発信。ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。 ブログ:「隊長日誌(ラーメンミュージシャン井手隊長の日記)」 YouTube:「ラーメンミュージシャン井手隊長の 今3時?そうねだいたいね」 YouTube:「ラーメンが『10倍』旨くなる動画 【DON BURI】」 この著者の記事一覧はこちら