両備システムズは1月25日、オンラインとオフラインのハイブリッドで「中期経営計画2024~2026」を開催。説明会では同社 代表取締役COOの小野田吉孝氏がプレゼンテーションを行った。

コロナ禍の中でも売上高を達成した2021~2023年

同社は両備ホールディングスでシンク、ドリームゲート、マックスシステム、ラオスのRyobi LaoなどとともにICT部門を担い、投資運用会社としてRyobi AlgoTech Capitalをグループに持つ。

主に公共、医療、社会保障分野、民間企業向け情報サービスの提供、システム構築、データセンター事業、クラウドサービス事業、セキュリティ事業を手がけている。

まず、前中期経営計画を振り返った小野田氏は「長期ビジョンにおいて2030年までに500億円の売上高を目指している。最初の3カ年は統合・変革期として2020年に両備グループ6社を統合し、7つの柱を立ち上げてスタートした。新規事業ではFinTechやメディカルなど、さまざまな取り組みを進めたが、顧客戦略やグローバル推進はコロナ禍の影響を受けてしまい、これから挽回する施策を打っていく。売上高370億円に対して、2021年度が383億円、2022年度は423億円と達成し、2023年度も384億円、経常利益は48億円を見込んでいる」と述べた。


同社では2023年度のトピックとして、ガバメントクラウド戦略室の発足、Ryobi AlgoTech Capitalを設立(CVCファンド1号を組成)、こども家庭庁向け「こどもの杜」実証事業の受注などを挙げている。

次期中期経営計画の施策

次期中期経営計画の所感として、小野田氏は「2024年は自治体システムの標準化(20業務)が本格化し、カーボンニュートラルに取り組む。2025年は、DXレポートで言及されている『2025年の崖』を迎え、運転免許証とマイナンバーカードの一体化運用などが控えている。ただ、一番大きなものは自治体システム標準化となり、2025年~2026年において一斉にスタートすることから、当社としても事業を展開する」と力を込めた。

事業面に関しては、自治体システム標準化やガバメントクラウド後のビジネス構築、民需ビジネスを強力に推進できる組織化、組織を横断したクラウドビジネスの強化を図る。

人材面では、岡山県内でトップクラスの賃金や充実した福利厚生で技術力を獲得・向上するとともに、心理的安全性を確保した環境で付加価値のある仕事ができている状態を目指す考えだ。


事業方針は、公共系、民需系、クラウド系の3つの分野で進めていく。公共系は上記でも言及しているように標準化やガバメントクラウドに加え、マイナンバー活用、スーパーシティ、スマートシティ、こどもの杜プロジェクト、文教系ビジネス、医療系ビジネスを拡大。

民需系については、現在投資を行っている領域を拡大させることに加え、ECサイトや決済サービス、貸切バスプラットフォーム、物流倉庫ビジネス、カーボンニュートラルビジネス、戦略がない受託開発の縮小、クラウドSIを目指す。

クラウド系ではCoE(Center of Excellence)の活性化、セキュリティサービスの充実、データセンターを中心にサービスを展開しているプラットフォームサービス「R-Cloud」の部品開発、クラウドマーケットプレイスの実現、データセンター第3棟の建設、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)取得後のインフラサービス強化、組織内外のマネジメント・リスク管理の底上げをしていく。

公共系は2026年以降にシュリンク、民需系とクラウド系を強化

こうした取り組みにより、次期中期経営計画の最終年度である2026年度には、売上高446億円を計画している。

小野田氏は「公共系は2026年以降にシュリンクしていくため、その後の成長に向けて民需系、クラウド系を伸ばしていく。
今年からの3カ年は足固め、ステップアップの期間となる。公共系、民需系でクラウドを使ったサービスの売上高は2023年に93億円、2026年に133億円、2030年には250億円の売上高を計画しており、売上高の半分を占めることになるため技術者を含めてスキルチェンジを行う。既存事業は、CAGR(年平均成長率)は公共系で3.5%、民需系で5.4%を計画し、新規事業、M&Aによる戦略成長を推進していく」との見立てだ。

新規事業に向けては、総額20億円の第1号ファンドは2026年3月末までに20億円の投資を完了させ、今後は第2号ファンドの設立を予定。

海外展開では、Ryobi Laoが日本の総務省事業として昨年に受託したラオスのデジタルID調査事業において、2024年は実証事業の受注獲得を目指す。カーボンニュートラルに関しては、今年1月にカーボンニュートラル事業準備室を新設した。


さらに、生成AIに関した取り組むも進めていく。昨年12月には自治体に提供している内部情報系のシステムに生成AIを組み込み、さまざまなプロダクトに展開していく方針とし、社内ではプログラムの自動化や品質管理への活用を予定している。

一方、人材育成ではセキュリティアンジニア(脆弱性診断士)を40人から100人、クラウドエンジニア(AWS、Salesforce、kintone、Azureなど)を200人から400人に拡大し、幹部広報生育成研修の「次世代プロジェクト」の参加人数を50人から100人に増員させる。そして、昨年導入したオンライン動画学習サービス「Udemy」を今年も継続し、全社員1600人を対象としたスキルアップを図る。

最後に小野田氏は「当社の普遍的ななミッションである『顧客を知り、顧客に学び、変化に挑戦』とともに地域・社会貢献できればと考えている」と締めくくった。