今回はビックカメラ有楽町店を訪ね、掃除機の売れ筋について取材しました。

最近の掃除機の売れ方について、同店の家電コーナーを担当する近藤貴義氏は「基本の掃除機能にプラスアルファがついた製品がよく売れています。
お手入れが簡単だったり、拭き掃除までできるものであったり」と言います。

掃除機全体のだいたい6~7割を占めるというスティック型のなかでも、サイクロン式や紙パック式といったタイプが分かれ、上位になるとゴミをドックに自動で移す機能を備えているものも選べます。そうした多彩な選択肢が揃うなかで、直近の売れ筋ベスト5を尋ねました。下記の「スティック型掃除機選びの3ポイント」を踏まえ、順に見ていきましょう。
○<スティック型掃除機選びの3ポイント>

ハウスダストを気にするなら、紙パック式や自動移動式を選ぶのが得策。
吸引力は数字では比べにくいところがあるので、売り場で確認して納得するのがベター。

軽さと高吸引力、長時間駆動の両立は難しい面がある。バランスを見て最善を探るのが大事。

※本文と写真で掲載している価格は、2024年1月16日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:1.1kgで紙パック式の「かるパックスティック」

一番人気となっていたのは、日立グローバルライフソリューションズの「かるパックスティック PKV-BK3K」でした。紙パック式のスティック型掃除機で、重量は1.1kgになります。
取材時の価格は49,280円でした。

「紙パックの交換は目安として2カ月に1回くらいでよく、その際もホコリが舞いにくいのが利点です。コロナ禍を経てハウスダストを気にされる方は以前より増えた感があり、そういう観点からも紙パック式の追い風を感じますね。そのうえで、とても軽くて扱いやすいということで、指名買いする方が多い製品となっています」

第2位:自動ゴミ収集ドックを備える「Shark EVOPOWER SYSTEM NEO+」

続く2位は、シャークの「Shark EVOPOWER SYSTEM NEO+ LC301J」です。本体をドックにセットすると自動でゴミがドック側に移動する機能を備えたサイクロン式掃除機で、本体重量は約1.6kgとなります。取材時の価格は79,750円でした。


「目安として、月に1回ドック側のダストボックスを空にすればいいので、こちらもメンテナンスの良さが好まれていますね。また、床にあるゴミの量を検知して自動で吸引力を調整する機能もついているので、強弱の調整なしに最適にお掃除できるのもポイントです」

第3位:自動移動先のドックが紙パック式「MC-NS100K」

3位のパナソニック「MC-NS100K」も、サイクロン式の本体で集めたゴミをドックに自動で移つタイプですが、ドック側に紙パックを採用しているのが特徴です。本体重量は約1.5kgで、取材時の価格は65,340円でした。

「ドックに集めたゴミの廃棄は50日に1度を目安としていますが、その際もホコリが舞う心配をしなくていいのが魅力です。あとは、髪の毛が絡みにくいブラシの評価も高いですね。長い髪や毛が巻き付いても最終的に吸い込まれる構造になっています」

第4位:水拭きもこなせるハイブリッド「Dyson V12s Detect Slim Submarine」

4位は、ダイソンの「Dyson V12s Detect Slim Submarine」でした。
吸引力の自動調節機能を備えたサイクロン式のスティック掃除機で、ウェットローラーに付け替えることで水拭きもできます。本体重量はウェットローラー装着時に3.2kg、Fluffy Opticクリーナーヘッド装着時で2.2kgとなります。価格は101,000円でした。

「キッチンのように油汚れが付きやすい場所まできれいにできるので、水拭きまで徹底したいという人に好まれていますね。ダイソン製だけに吸引力も高く、付属の『毛絡み防止スクリューツール』を布団クリーナーとして使う方もいらっしゃいます」

第5位:軽さと吸引力の両立を求める人に人気の「パワかるスティック」

5位には、再び日立グローバルライフソリューションズの製品がランクインしました。サイクロン式の「パワかるスティック PV-BL50L」で、取材時の価格は95,920円でした。
本体重量は約1.4kgとなります。

「日立のスティック型のなかでも吸引力重視の方に支持されていますね。吸引力が高い製品ながら、本体重量は平均的なスティック型掃除機のなかでは軽い部類に入ります。駆動時間が長くて、バッテリーの交換も簡単ということで、広めのお宅でも気軽に安心してお掃除できます」

○はみ出し情報・・・丸ごと水洗いできる東芝「VC-CLX52」も人気

トップ5以外で気になる人気モデルも紹介してもらいました。近藤氏がピックアップしたのは、東芝ライフスタイルのサイクロン式スティック型掃除機「VC-CLX52」。標準重量は約1.6kgで、取材時の価格は66,880円でした。


「パナソニックと東芝の上位機は、ダストカップが丸ごと水洗いできる仕様になっています。サイクロン式は3~4カ月に一度くらいのペースできれいにする必要がありますが、VC-CLX52はフィルターが付いていないのでカップごと洗えます。やはりメンテナンスの手間が少なくて済む製品は注目されていますね」

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら