舞台『モンスター・コールズ』のフォトコールが9日に東京・PARCO劇場で行われ、佐藤勝利山内圭哉、サリー・クックソン(演出)、パトリック・ネス(原作)が取材に応じた。

同作は英国でベストセラーとなった小説の舞台化作。
2016年には映画化され(邦題『怪物はささやく』)世界的に高い評価を受け、18年に英国で舞台初演、19年のローレンス・オリヴィエ賞で「Best Entertainment and Family」(現:Best Family Show)を受賞し、22年にはイギリス・ロンドン、ブリストル、アメリカ・ワシントンと各地で上演された。闘病中の母親と2人で暮らしている13歳の少年 コナー・オマリー(佐藤)の前にモンスター(山内圭哉)が現れ、物語を語る。ほか瀬奈じゅん、葛山信吾(※葛は草冠・日・匂)、銀粉蝶らが出演する。
○■舞台『モンスター・コールズ』フォトコールに佐藤勝利が登場

2020年に日本での初演を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により上演は断念した同作。4年の時を経て、英国チームと日本人キャストというワールドワイドな取組みにより、日本初上演を迎える。演出のサラは「ものすごくたくさんの違いがあります」と日英の演劇の違いを実感。
「稽古場ではこの作品に関わる全員が1日目からいたんです。イギリスは全然違います。まず俳優がいて、演出部も数名いますが、他のメンバーは1週間に1回顔を出したりプロデューサーは最終的なシーンにきたりこじんまりとしている。でも日本に来たら30名くらいがそれぞれの前に机を構えて作業されてて圧倒されました。そしてすぐに、稽古場にいる一人ひとりがこのストーリーを最高の形で語るためにいるのだと気づきました」と環境の違いを表した。

27歳で13歳の少年役を演じる佐藤は「『モンスター・コールズ』の制作が決まってから約4年経ちました。
コロナがあり、イギリスのチームが来れない状態になりましたので、やむを得ずいつできるのかなと思いながらその日を待ち望んでいたんですが、やっと今年の1月の頭から稽古に入ることができて、僕たちとしてもいろいろな違いを感じなら、その違いが面白さでしたし、チャレンジングなことをさせていただいているなと思いました」とここまでを振り返る。

さらに「すごくたくさんのことを学びながら、僕が1番『すごい、こういう違いがあるんだな』と思ったのは、皆さんがものすごくアーティスト性を重要視してるんじゃないかなということ。一緒に作るのが楽しかったですし、なかなか計画通りにいかないことも多かったとは思うんですけれど、舞台というのは改めて芸術の一つなんだなと感じ取れました。僕も一生懸命アートの一部になれるように、コナーという役を生きれたらなと思いました」と語った。

原作のパトリックは「鳥肌が立ちました。言葉にならないくらい感動しました。
ものすごくストーリーに引き込まれていきました。演者の皆さんの演技、演出、音楽がそういうふうにさせたんだと思います」と絶賛。「もしかしてシェイクスピア劇を観るような気持ちになるんじゃないかと、当初は心配してました。面白そうなんだけども、延々と何時間も続くような、いかにもシェイクスピア劇のような作品は多いです。あんまり中身がわからなくてつい時計見ちゃったりもします。でも全然違っていて、アメイジングでした。
正真正銘いい内容だったと思います」とジョークを交えながら讃えていた。

キャストがセットの一部になったり、佐藤や山内がロープで宙に吊るされたり(エアリアル)と、様々な表現方法を駆使している同作。最後に佐藤は「体験したことない演劇体験ができる作品だと思います。いろいろな想像力も働かせられるような、ワクワクする作品になっておりますし、ものすごく美しい物語で、作品の中にも“物語”という言葉がたくさん出てくるんですけれども、観に来てくださる方とまた一つ日本の『モンスター・コールズ』の物語を一緒に作り上げていけたらなと思います。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」とメッセージを送った。

東京公演はPARCO劇場にて2月10日~3月3日、 大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて3月8日~17日。