楽天インサイトは4月19日、AI(人工知能)に関する調査の結果を発表した。これによると、AIに対して良い印象を持っている人が70%以上を占め、その理由では「時間短縮になるから」が53.8%で最多だった。


同調査は同社が3月7日から8日にかけて、同社に登録しているモニターから全国の20歳~69歳の男女900人を対象に実施したもの。設問の一部は生成AIで作成したといい、同社が実施する公開レポートにおけるAIツールの利用は今回が初とのこと。

AIのイメージでは「効率的に作業を進めることができる」が43.1%と最も多く、以下「知りたい情報をすぐに教えてくれる」(35.7%)、「新たなビジネス機会の創出につながる」(29.6%)が続く。

年代別では、「セキュリティに懸念がある(AIの誤作動やハッキングなど)」との回答が40代以降増加する傾向が見られた。

AIが自身の生活に関与することをどう思うかを聞くと、「良い印象を持っている」(「とても良い印象を持っている」と「やや良い印象を持っている」の合計)が70.8%に上る。年代別では、40代の「良い印象を持っている」が計77.6%で、全体より5ポイント以上高い。


AIが自身の生活に関与することに良い印象を持っている人にその理由を尋ねたところ、「時間短縮になるから」が53.8%と最多であり、以下「人間では起こり得るミスを減らすことができるから(データ入力での誤入力、文書作成での文法ミス、スペルミスなど)」(47.3%)、「自分では見逃してしまうようなモノやコトを見つけてくれるから」(37.8%)の順だった。

年代別では、「自分では見逃してしまうようなモノやコトを見つけてくれるから」が年代が上がるにつれて増える傾向にある。

AIに任せた方がよいと思う業務と人間が対応した方がよいと思う業務を、有職者にそれぞれ質問すると、AIに任せた方が良いと思う業務では「製品の在庫管理」が53.7%で最も多く、以下「経理処理」(52.3%)、「資料作成」(52.1%)が続く。

人間が対応した方がよいと思う業務では、「最終意思決定」が56.4%と最多であり、以下「医療行為」(49.9%)、「従業員の採用」(47.7%)の順だった。

全員に、AIに持っている最も近い感情を聞くと、期待が31.4%で最も多く、以下、好奇心(21.0%)、不安(13.4%)と続く。年代別では、40代以降で疑念が増える傾向にある。


有職者に対して、AIの普及で自分の仕事がどのような影響を受けると思うか尋ねたところ、「良い影響(プラスの影響)を受ける」(「良い影響を受ける」と「どちらかというと良い影響を受ける」の合計)は75.2%だったのに対して、「悪い影響(マイナスの影響)を受ける」(「悪い影響を受ける」と「どちらかというと悪い影響を受ける」の合計)は24.8%だった。

AIの普及で自分の仕事が無くなることを心配しているか聞くと、「心配している」(「とても心配している」と「やや心配している」の合計)は24.8%、「心配していない」(「まったく心配していない」と「あまり心配していない」の合計)は44.4%だった。

年代別では、20代と40代で「心配している」という回答者が、全体より5ポイント以上多い。

AIを自分の仕事に取り入れることに対してどの程度積極的か質問したところ、「積極的」(「とても積極的」と「やや積極的」の合計)は40.2%、「積極的ではない」(「まったく積極的ではない」と「あまり積極的ではない」の合計)は16.6%だった。年代別では、40代では積極的な回答者が全体より5ポイント以上多い。