久原本家グループは4月26日、日本酒の蔵元・伊豆本店の株式を取得し、子会社化したことを発表した。

伊豆本店は、1717年(享保2年)に黒田藩から酒造株を贈られ、福岡・宗像の地で酒造りを開始。
以来300年以上、12代に渡りその歴史を積み重ねてきた老舗の蔵元。代表銘柄「亀の尾」は、かつて幻の酒米と言われた極上品種「亀の尾」に由来。病害虫で一度は姿を消したこの米を、11代目代表の故・伊豆善也氏が7年かけて収穫を成功に導き、大吟醸「亀の尾」として復活させた功績がある。現在「亀の尾」を含む約20種類の商品を展開している。

久原本家グループにとって伊豆本店は母方の実家にあたり、親戚関係にある。久山町にて同グループが運営する茅葺きのレストラン「御料理 茅乃舎」は、伊豆本店の茅葺き屋根を葺き替える姿を河邉が目の当たりにしたことがきっかけで誕生した。
いわば「茅乃舎」ブランドの原点と呼べる場所。また、「博多 椒房庵」ブランドにて、純米大吟醸「久波良」等の製造委託を行うなど、業務上でも関係性を築いてきた。

今回、伊豆本店が積み重ねてきた酒造の技術を今後も継承したいという想いが一致。また双方の強みを生かし、発展的な事業展開イメージを共有できたことから、同グループへの子会社化へと至ったという。

今後、同グループの資産でもある豊富なレシピを活用し、日本酒と和食のマリアージュなど、新たな付加価値を付けた商品・コンテンツ開発を実現するという。また、御料理 茅乃舎同様に伊豆本店の歴史ある建造物等を保有し続けることで、「茅葺き」という伝統技術を未来へ受け継ぐ役割を果たす。
伊豆本店のある宗像市の新たな地方創生にも取り組むという。