○遠藤憲一、人生初の完全自炊番組
“えんけん”の愛称で親しまれ、ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズ(テレビ朝日系)をはじめ、数々の代表作を持つベテラン俳優の遠藤が今、SNSで大きな話題を呼んでいる。公式SNSに投稿された、黙々と冷やし中華を作り、完成したものを皿に盛って「どうぞ!」と画面に向かって差し出す姿に、「おままごとみたいでかわいい!」「冷やし中華でなく、これは“癒やし”中華」「休日にお父さんが作る冷やし中華みたいで美味しそう」との声が寄せられ、TikTokでは27万回以上再生される“バズリ動画”に。遠藤が数年前から投稿していた、食べ物を大きく前に出して撮影する独特な写真の撮り方も、「これ流行らせたの遠藤憲一だから」「遠藤憲一が最先端」と改めて注目を集めている。
そんな遠藤が、たったひとりで料理に挑戦するのが『きっちりおじさんのてんやわんやクッキング』。コロナ禍をきっかけに料理を始めるまではまともに包丁も握ったことがなかったという遠藤が、不器用ながら一生懸命に、料理本とにらめっこしながら料理にチャレンジする。挑戦するのは、土鍋炊きご飯、出汁を取っての味噌汁作り、おにぎり、肉じゃが。料理本、食材や調理道具、食器を買うところから始め、準備万端で料理に臨むが、予想外の問題や出来事が次々と発生する展開に。料理作りを通して、気さくでちょっと不器用、きっちりしつつもちょっとせっかちな遠藤の一面を見られる番組だ。
○料理をしながらの片付けはバッチリ
収録後の囲み取材で遠藤は、この番組のオファーを受けたときの心境を「バラエティは得意なほうじゃないんだけど、やっぱり積極的に参加していかなきゃいけない時代だと思っていて。料理番組ということで、『ポンコツな僕でいいのであれば』とお答えしたら、そのままの料理ができない遠藤さんで来てくださいと言われて、斬新だなと」と、笑顔で振り返る。1時間番組でありながら、買い物に出かけるところからロケがスタートし、収録時間はなんと約10時間。「芸人さんも絶対やらないだろうっていうキツいロケでしたが(笑)」と苦労を明かしながらも、古本屋や商店街での交流は楽しかったといい、充実感にあふれた表情を浮かべた。
また遠藤は、料理を作りながら、合間合間に片付けていくという行動を自然と取るという、“きっちりおじさん”ぶりを存分に披露した。「やる気がなくなっちゃうから、散らかっているのが好きじゃなくて。一回一回洗ったり片付けたりすると、気持ちもリセットできるようで好きですね」と語り、「お寿司屋さんが、まな板をいちいち拭いてまた握って、包丁をいちいち拭いてまた握って、としたくなる気持ちが分かりました」と寿司屋に共感。しかし肝心の料理への自己採点は厳しく、「もっとボロボロになると思ったんだけど、まぁまぁできたので50点くらい」。特に大好きなおにぎりに、「形がね……」と反省を見せた。3品の料理に挑んだことで、日頃、料理を作ってくれている妻への感謝の思いも新たに。「家にいるときは作ってもらってるので。手際よくバババっと作ってくれていて、手伝おうと思ってもそのテンポについていけないんです。だからできあがったものを運ぶくらい」とこれまでの自身の役割を明かした。
○レシピ本にも意欲「読んだ方が、自信を持てるような」
今回の番組での発見は「ありすぎる」と遠藤。「“ヒタヒタ”とか、何度も聞いているのに、それがどれくらいなのか気にもとめていなかった」と、しみじみと語る一方で、「玉ねぎが消えたことにも驚きました。あれだけの量を入れても、火を通すと溶けていっちゃうんですね。