ベージュのチェックに工夫あり?
チェックは「レジャーシートなどでなじみの深い」柄だと話すのは、CMF担当の松村美月さん。「のんびり」「リラックス」「ジェンダーフリー」「年代にとらわれない」といったチェック柄の特性がN-BOX JOY(ジョイ)にフィットしたという。
チェックにもいろいろある。どんな色にするかも重要なテーマだ。チェックは基本的に線を組み合わせて作り出す模様だが、線の太さは慎重に吟味したそうだ。
「細くて細かい線にすると華奢でフェミニンに見えますし、太い線にすると武骨で男性っぽい印象になります。ジェンダーを感じさせる柄にしたくなかったので、実際にクルマに敷いたときの見栄えも含め吟味して仕上げました」(以下、カッコ内は松村さん)
今回のチェック柄はジョイ専用で作ったオリジナル。過去のホンダ車には車内にチェック柄を使ったクルマもあったそうだが、特にオマージュしたりインスパイアされたりということはなかったそうだ。
ジョイの車内はベージュのチェック柄。この色、近くからよく見ると、のっぺりとした単色のベージュではなく、オレンジや青などの小さな粒が混ざった複雑な構成の色になっている。
「同じチェックでも色が鮮やかだとポップで若者向けの印象になります。
とにかく気楽に使える「ふらっとテラス」
ベージュ一色の単調な色味に比べて、複数の色の粒が混ざった複雑な色味のベージュは、何かが付着したとき、例えばスナック菓子のクズやジュースをこぼしてしまったりしたときにも目立ちにくいという特性がある。さらには撥水表皮になっているので、汚れても簡単に手入れできる。
お気に入りの場所や気になる場所にクルマをとめて、後席を前に倒して「ふらっとテラス」を作り出し、座ったり寝転がったりしながらゆったりと時間を過ごせるところがジョイのいいところだ。後席シート背面にはプレートが入っているから、座ってもお尻の下がごつごつしない。荷室の後端を普通のN-BOXに比べて80mmも高くしてあるので、床はほぼフラット。のびのびと足が伸ばせる。
「ふらっとテラス」の居心地がいいのは、荷室部分の床にも撥水かつ汚れの目立たないチェック柄の表皮が張ってあるからだ。基材に織物表皮をくっつける「成形同時接着」は日本初の技術なのだという。
普通であれば、この部分(荷室の床)は黒い不織布になっている。
後席をパタンと倒すだけで「ふらっとテラス」が出現するのがジョイの特徴。床面がチェック柄の撥水表皮になっていて、後席の背面にはプレートが入っているので、何か敷くものを用意していなくても気楽に寝転がれる。ちょっと気になる場所(木陰、河原、公園のちょっとしたスペースなど)が見つかれば、簡単にピクニックを楽しめるのがジョイの美点だ。本格的なSUVテイストのクルマに比べればかなり「ゆるい」のだが、実際のところは、このくらいのアウトドア能力で十分という人が大半なのではないかと思える。軽スーパーハイトワゴンのアウトドア派生車種としては、ちょうどいいバランスのクルマなのではないだろうか。