米Mozillaは、1月7日(現地時間)にWebブラウザFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 134」をリリースした。Firefox 134は、Firefox 133から6週間でのバージョンアップとなった。
理由は、クリスマス、ニューイヤーなどの休暇を考慮してのことだ。Firefox 133では、2024年12月10日にマイナーバージョンアップの133.0.3がリリースされている(133.0.1、133.0.2はスキップされたようだ)。133.0.3では、以下の修正が行われた。

履歴やブックマークを表示するときなどで、ライブラリウィンドウでスクロールバーが表示されない問題の修正
WindowsハイコントラストテーマとFirefoxのシステムテーマの両方を使用しているときに、マウスオーバー時にツールバーボタンが表示されない問題を修正
ハードウェアアクセラレーションが有効になっている場合に、一部のCanvas要素でぼやけた線が描画される問題が修正
Windows上で最大化状態から復元すると、Firefoxのウィンドウの位置が正しくない問題を修正

セキュリティ関連のフィックスは行われなかった。今回は、133.0.3からのアップデートとなる。
Firefox 134のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

アップデート後のFirefox 134は、図2のようになる。

新規に、Firefox 134をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。
以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 134の新機能

続いて、新機能であるが、以下のとおりである。

Linux版:タッチパッドのホールドジェスチャをサポート。この新機能で、タッチパッド上に2本の指を置くことで、動的スクロールを中断可能に。
Windows版:H.265/HEVCビデオコンテンツのハードウェアアクセラレーションによる再生をサポート。
Ecosia(環境配慮型検索エンジンで、検索のたびに植樹活動を行う非営利団体「WWF」に対し寄付が行われる)の利用可能言語が、オーストリア、ベルギー、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイスに加え、ドイツ地域のすべての言語に拡大。

また、以下の変更が行われた。

一時的なユーザーアクティベーションのモデルであるHTML仕様にさらに厳密に従うようになった。結果、Firefoxの以前のバージョンで非常に攻撃的なポップアップブロックの緩和、誤ったブロックプロンプトが減少する。
新しいタブレイアウトが導入。米国とカナダのユーザーに対し、Web検索、ショートカット、およびおすすめのストーリーを最上位に優先表示するためにレイアウトが変更された。具体的には、ロゴと天気ウィジェットなどが表示される。
この更新で、UIも変更され大きな画面を持つユーザーは最大4列を表示できるようになり、スペースを有効に活用できる。

日本語版では、ルック&フィールに関する新機能・変更はなく、やや控え目なアップデートとなった。
セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで11件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が3件、4段階で上から3番目の「Moderate」が8件となっている。

「High」では、

Android版Firefoxで無効なプロトコルスキームを使用したアドレスバーでのスプーフィング
Firefox 134、Firefox ESR 115.19、Firefox ESR 128.6、Thunderbird 115.19、Thunderbird 128.6で修正されたメモリ安全性の問題
Firefox 134、Thunderbird 134で修正されたメモリ安全性の問題

が対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。
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