レンティオ株式会社、代表取締役社長の三輪と申します。
前回の記事の最後に「カメラのレンタルサービスをwebで展開するとしたらどうやって売上を作る?」という問題を出しました。
もちろん、答えはたくさんあります。
レンティオの創業期は、「ニッチなカメラを扱う」という方法で売上を作っていきました。一眼レフカメラやビデオカメラをレンタルしている会社は当時からたくさんあったので、創業直後のレンティオが検索で上位を取れるはずもないです。
なので、「カメラ レンタル」というワードではなく、「360度カメラ レンタル」や「チェキ レンタル」というワードで上位を狙うように、大手レンタル会社が扱っていないカメラを多数扱うことで少しずつ売上を拡大し、徐々に本丸の一眼レフやビデオカメラも扱うようにしていきました。
考えてくれた人の中には、僕たちよりも良い答えを思いついた方もいるかも知れません。
正解が何か、というよりも、とにかく「考えること」が大事だと思ってください。
前回は「考えること」について書かせていただきましたが、今回は考える前提となる「情報を集めること」について書かせてください。
先ほどの問題。
「カメラのレンタルサービスをwebで展開するとしたらどうやって売上を作る?」を考えるうえで、「どういう競合がいるのか」「競合はどうやって売上を作っているのか」「お客さんはどういう用途で借りてくれたのか」などを調べる必要があります。
考えるうえで必要になる「情報」を集めること。これが成功に繋がります。孫子も「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言ってるように、とにかく情報は大事。
私も、競合のサービスをたくさん調べましたし、たくさん使いました。そして直接話を聞きに行ったりもしました。注文してくれたユーザーさんに直接会いに行ったことも何度もあります。「考える」ための「情報を集める」ことが大事。
義務教育を含めた勉強もその1つです。ただ、情報を集めるだけでは意味がなく、もしかしたら誤った判断を下すことになるかも知れません。
昨今、SNSを含めたメディアによる情報が溢れかえっているため、本当に必要な情報、本当に正しい情報とはなにか? がわからなくなってきています。それら情報の海の中から、本当に正しい情報を探す能力も重要になってきています。
私のオススメは「信頼できる人からの一次情報を得ること」「真逆の意見も参考にすること」この2点です。
1つ目、例えば尊敬する先輩が言っていることであればきっと正しい気がしますよね?
身内の人でも良いです。
私はいろいろな人からの意見をもらうのが好きなので、積極的に社外取締役の方からの意見や、自分の会社に出資してくれている投資家の意見を聞きに行きます。
当然、厳しい意見を言われることもあるのですが、彼らもステークホルダー(レンティオの利害関係者)であるので正しいと思う意見を言いますし、私が自ら出資してほしい、社外取締役になってほしいと思った方たちなので能力は十分にある人です。
彼らの意見は正しいことが多いだろうと思って聞きます。
ただ、鵜呑みにするのではなく真逆の意見も参考にします。例えば、レンティオがある会社の事業を買収しようとしていたとします。それに対して私は迷っていて社外取締役の方たちに意見を求めたところ、全員が賛成していたとします。
そうなった場合、そのまま意見を聞いていれば楽ですが、私は絶対に「反対する側の意見」も情報として取り入れます。なぜ反対したのか? または同じようなことをして失敗した人の意見を聞きに行きます。
そうすることによって「肯定する意見」と「反対する意見」両方を情報として取り入れ、
それをもって自分で判断することができるからです。どうしても片方の意見だけを聞いた方が楽なので、そうなってしまいがちですが、その情報が正しいかを判断するためには反対側の意見も取り入れるべきだと思っています。
成長するうえで、「考える」と「情報を集める」を両方行うことが重要だと2回に渡り偉そうに書いてしまいましたが、これは私の言葉でもなくて、孔子の論語の中の言葉です。
「學びて思はざれば則ち罔(くら)し。思ひて學ばざれば則ち殆(あやう)し」
要するに勉強して(情報集めて)考えなかったらダメだし、考えてばかりで勉強しなかったらダメだぞ、と。
2500年前の偉い人も同じこと言っているので正しそうですね。
笑
孔子のこの言葉にも少し含まれているのかもしれませんが、私はここに「行動すること」というのも付け加えたいです。「考える」「情報を集める」はとにかく重要です。ただ、それだけだと何も生み出しません。下手したら、批評家になるだけです。「行動してみるためにすべきこと」というのは、また次回書かせていただきます。
それではまた次回!
三輪 謙二朗 レンティオ株式会社 代表取締役社長。2008年 楽天株式会社へ入社し、モバイル推進グループにてモバイル版楽天市場の拡大に貢献。ECコンサルタントとしてキッチン日用品雑貨グループに配属。退職後、Eコマース企業を経て2015年4月、株式会社カンパニー(現 レンティオ株式会社)を創業。月間14万人以上が利用するサブスク・レンタルサービスへと成長させる。レンティオ:https://www.rentio.jp/ この著者の記事一覧はこちら
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