NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは1月22日、「NPSベンチマーク調査2024」の結果を発表した。調査は2024年11月13日~11月22日、ネット証券会社(auカブコム証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券)において、過去1年以内に取引経験がある2,023名を対象にインターネットで行われた。
○ネット証券のNPSおすすめランキング
対象のネット証券5社のうち、NPSのトップはSBI証券(-8.3ポイント)、2位は楽天証券(-12.0ポイント)、3位は松井証券(-30.8ポイント)となった。5社のNPS平均は-24.7ポイント、トップ企業とボトム企業との差は28.7ポイントとなった。
ネット証券全体および対面証券全体のNPSの変化を分析したところ、ネット証券においては2020年以降NPSが上昇傾向にあり、昨年からは5.4ポイントの上昇となった。一方で対面証券においては、2018年から2023年にかけては大きな変化はみられなかったものの、前年と比較して12.4ポイント上昇し、ネット証券との差が縮まった。
○業界全体のロイヤルティ要因分析
14の項目別に業界全体のロイヤルティの要因を分析したところ、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」に加え、「取扱商品の豊富さ・魅力」や「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」がロイヤルティを醸成する要因となった。また、「トレーディングツールの使いやすさ」もNPS向上に寄与した。
一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「マイページやアプリでの取引のしやすさ」や「資産運用に対する期待通りの成果」、「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」となった。
SBI証券は、業界全体でロイヤルティ醸成要因となった「取扱商品の豊富さ・魅力」や「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながった。2位の楽天証券は楽天グループをはじめとした「他の金融機関との連携の良さ(入出金のしやすさや金利・ポイント優遇など)」や「マイページやアプリでの取引のしやすさ」において、3位の松井証券は「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」や「セキュリティやシステムの信頼性・安定性」において高い評価を獲得した。
新NISAの利用状況
2024年から開始された新NISA制度について利用状況を調査したところ、調査対象のネット証券において新NISAを利用しているのは52.0%となった。NPS上位企業においては、新NISAを利用している割合が高くなった。また、事業種別に分析したところ、新NISAの利用率は対面証券よりもネット証券のほうが高い結果となった。
対象の証券会社で新NISAを利用している人に対し、新NISAの口座開設の仕方を調査したところ、ネット証券において「新NISAを利用するために初めて対象の証券会社の口座を開設した」人は35.4%、「もともと口座を持っていた対象の証券会社で新NISA口座を追加で開設をした」人は64.6%となった。また、事業種別に分析したところ、「新NISAを利用するために初めて対象の証券会社の口座を開設した」人の割合はネット証券のほうが対面証券よりもやや高くなった。
○新NISAの利用状況にみたNPS
ネット証券について、新NISAの利用状況別にNPSを分析したところ、対象の証券会社で新NISAを利用している人のNPSは-15.5ポイントとなり、それ以外の人と比べて高い傾向がみられた。また、対面証券においても同様の結果となった。
さらに、新NISAの口座開設の仕方別にNPSを分析したところ、ネット証券において「新NISAを利用するために初めて対象の証券会社の口座を開設した」人と「もともと口座を持っていた対象の証券会社で新NISA口座を追加で開設をした」人でNPSの大きな違いはみられなかった。一方で、対面証券においては「新NISAを利用するために初めて対象の証券会社の口座を開設した」人のほうがNPSが高くなり、ネット証券と対面証券で傾向に違いがみられた。
○今後の継続利用意向
対象のネット証券会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.7ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.1ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.4ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなった。
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