活動する中で笑顔のパワーを実感「お互い笑顔になれるってすごく素敵」

アイドルグループ・ももいろクローバーZのリーダーで女優としても活躍する百田夏菜子が、初のフォト&スタイルブック『ももいろクローバーZ 百田夏菜子フォト&スタイルブック えくぼは恋の落とし穴 Anniversary30』(宝島社)を昨年12月24日に発売した。百田にインタビューし、自身のキャッチフレーズをタイトルに用いた理由、30歳を迎えた今の仕事の対する思いやこれまでの転機、今後について話を聞いた。

同書は、昨年7月12日に30歳の誕生日を迎えた百田のアニバーサリーブックで、出身地・静岡県で撮影を実施。
大自然の中で真っ赤なドレスをまとったカットや日常を切り取ったような自然体の表情など、さまざまな姿が楽しめ、百田の30年を振り返るページやファンからの質問に回答するQ&Aコーナー、私服紹介や美容特集なども掲載されている。

――「えくぼは恋の落とし穴」という自身の大事なキャッチフレーズをタイトルにした思いをお聞かせください。

グループを結成したばかりの頃に、「まずキャッチコピーを決めよう」ということになって、ホワイトボードにチャームポイントを書いたりしながらみんなで決めたものなんですけど、常に自分の近くにあった言葉ですし、一緒に活動してきた言葉でもあります。この本にキャッチーなフレーズをつけたいという時に、一番近くにあるなと思い、そして、この言葉を入れてみたらすごくかわいらしくなったので、いいなと思って使いました。

――百田さんといえばやはり、えくぼが印象的な笑顔が魅力ですが、普段から笑顔を意識されているのでしょうか。

笑顔ってすごくパワーがあるなと思っていて、自分が笑顔になったら見てくださっている方や周りの方が笑顔になってくれるという、笑顔が連鎖していく経験もたくさんしていますし、落ち込んだ時もとりあえず笑ってみると、表情に引っ張られて笑顔になれたり、考えすぎだったかなと思えたりすることもたくさんあるので、笑顔ってすごいなとたくさん実感しています。

――笑顔の力を実感するようになったエピソードがありましたら教えてください。

ステージ上から見るお客さんの笑顔が本当にうれしくて、自分たちも笑顔だとお客さんも笑顔になってくれて、お客さんが笑顔だと私たちも笑顔になるという、この循環が幸せだなと実感させてもらった時に、これって最高だなと。お互い笑顔になれるってすごく素敵だなと思ってから、より笑顔が大好きになりましたし、もっとみんなに笑顔になってもらえるように頑張ろうって、1つのモチベーションでもあるなと思いました。

――30年を振り返ることもできる一冊になっていますが、ご自身は30年の歩みを振り返ってどのように感じていますか?

やはり活動を始めてからがものすごく濃いなと思います。自分の本が出るとか全く想像してなかったですし、アイドル活動をするというのも、テレビの中の世界ですごく遠いものだったので、こんなことってあるんだと思うような30年間で、今でも不思議だなと思います。

――2008年にグループを結成されてから今年で18年になりますが、今でも不思議だなと思う瞬間があるんですね。


ステージに立っていても、自分たちを見にこれだけたくさんのお客さんが来てくれていることが「夢!?」っていつも思いますし、ステージから降りて「今何が起こっていたんだろう」とふと我に返って怖くなる時もあります。現実ですが非現実的でもあるなと思っていて、それがこのお仕事の魅力なのかなと。あんな風にステージに立たせてもらえるありがたみを感じながら活動しています。

人生の転機や下積み時代を回顧「すごく濃い経験をしたなと」

――これまでの人生を振り返って、大きな転機になったと感じている出来事を教えてください。

いろんな方と出会ってお仕事をさせてもらって今の自分があると思いますが、一番最初をたどると、事務所に写真を送ったお母さんの行動が、今の状況につなげてくれているなと思います。もっと前をたどると、ダンススクールに入ったことも転機だなと。新体操をやっていて、ダンスの基礎が足りないと言われて、友達が通っているダンススクールを紹介してもらって入ったんですけど、オーディションを受けたほうがいいと勧めてくれるダンススクールで、そこに通わなければオーディション誌も買ってなかったと思うので。

――お母様が事務所のオーディションに応募した時点では、ご自身はアイドルになりたいという思いはなかったのでしょうか。

ないですし、なれるとも思ってなかったですし、オーディションに受かるなんて1ミリも思ってなかったです。その時はスポーツに熱中していて、スポーツ選手になりたいという思いが強くて。まさか受かるとも思ってなかったので、受かって初めて東京に来て、そこからいろんな初めてが始まりました。

――2010年のメジャーデビュー以前には、ワゴン車で全国を回って路上ライブをされていた時期も。もともと自分からアイドルになりたいと思って飛び込んだわけではなかったけれど、頑張り続けることができた原動力を教えてください。


下積み時代と言っていただくことも多く、今思うと大変だったこともあるかもしれませんが、全部楽しくて全部新鮮でした。誰も自分たちのことを知らないのが当たり前だったので、「お客さんがいない」というより、立ち止まってくれた時に「1人立ち止まって見てくれているかも!」とテンションが上がっていました。車で全国を回るというのも、すごく濃い経験をしたなと。行ったことない場所を回りながらイベントをするというのは、ただただ楽しくて、みんなで考えた台本を覚えられなくて怒られたり、そういうのも部活みたいで楽しかったです。

――全部が楽しいと思えるポジティブマインドが素敵です。

1人ではなく、みんなで楽しめたというのも大きいなと思っています。学生時代からそういうのが始まったので、学生の友達感覚みたいなものもずっとありながら活動していて、その時からずっと一緒にいるからこその今でも変わらない空気感も、自分たちの楽しい部分かなと思います。

――女優としても活動され、2月12日には初のソロアルバム『ビタミンB』を発売されるなど、活躍の幅も広がっていますが、今のお仕事に対する思いをお聞かせください。

このお仕事をする上で軸になっているのが、「誰かを笑顔にしたい」「元気にしたい」という思いで、悩んだり落ち込んだりした時にちょっと光になったらいいな、笑顔につながるきっかけになったらいいなという思いでいろんなお仕事をやらせていただいています。このスタイルブックを作りながら自分と向き合った時も、やっぱり私は笑顔が好きなんだと思い、その思いもたくさんこのスタイルブックに込めたので、これからもたくさんの笑顔を広げていけたらいいなと思います。

「誰かを笑顔にする存在…そういう意味でずっとアイドルでいられたら」

――今後の人生をどのように思い描いていますか?

今までの人生を振り返っても、1年後でさえ想像して過ごしてきたことがなく、明日のスケジュールがわからないということもけっこうあって、「とりあえず今日を大切に!」「今日も笑顔で過ごすぞ!」と。グループ活動も何年続けようと考えたことが一切なくて、気づいたら5年、10年、15年経って、「え、10年!?」「15年!?」って。
30歳になって、想像もしてなかった場所やお仕事を楽しんでいる自分もいます。どんなお仕事に出会って、どんな方と出会って、そこで見られる新しい景色がきっとあるんだろうなと想像しながら過ごしているので、また10年経って30代を振り返った時に楽しかったなと思えるような日々を過ごせたらいいなと思います。

――アイドルを軸に活動していくというのは変わらなそうでしょうか。

そうですね。でも、私が思い描くアイドルは誰かを笑顔にする存在で、「この人を見ると笑顔になる」「この人に会ったら元気になる」「頑張ろうって思える」という存在をアイドルとも言いますし、「職場のアイドル」「学校のアイドル」「家族のアイドル」と言ったりもすると思います。私は今、職業としてアイドル活動をしていますが、もしアイドルという活動を辞めたとしても、どこかの誰かのアイドルでいたいとずっと思いながら過ごしているので、「こういう人でいたい」という自分の人生の目標でもあるのかなと思っています。

――広い意味で生涯アイドルということですね。

私にとってのアイドルが自分のお母さんやおばあちゃんで、会うと元気になったり笑顔になったりする存在が近くにいてくれるので、私も誰かを笑顔にする存在でいたいと思いますし、これから年を重ねても、そういう意味でずっとアイドルでいられたらいいなと思います。

――初のソロアルバム『ビタミンB』の発売が控えていますが、ソロ活動はご自身にとってどういうものになっていますか?

グループならではのパワーは出せないけど、違う形で寄り添えたらいいなと。自分で作詞させてもらっているものも多く、私が人生の中で出会った言葉や感情をオープンに歌詞に入れることによって、新しい雰囲気の曲になっていると思います。グループの曲は明るい曲や前向きな曲が多いですが、それと比べて少し暗い部分も隠さず出しているので、共感してもらえたり、そこから誰かを救うことができたり、そういう風につながっていったらいいなと思って活動しています。

――歌詞に用いられた言葉で、ご自身が特に大切にしているものを教えてください。


やはり「笑顔」というワードが歌詞にもあって、アルバムの一番最後の曲の一番最後の歌詞も、「最後笑っていれば全部解決だね」みたいな陽気な歌詞が入っているんですけど、いろんなことがあっても、最終的に笑顔になれたらいいなという思いも込めて作りました。

――最後に、今後のご活躍を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

これからもいろんな活動の中でたくさんの方を笑顔にできるように頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願い致します!

■百田夏菜子
1994年7月12日生まれ。静岡県出身。ももいろクローバーZのリーダー。音楽活動のほか、ドラマ、舞台、バラエティ、モデルなど多方面で活動。2024年7月には30歳を記念してバースデーライブを開催。初のソロアルバム『ビタミンB』を2月12日リリース予定。また、同月16日の大阪公演を皮切りに、全国4カ所を回るツアー「MOMOTA KANAKO Live Tour 2025『VITAMIN-B』」を開催予定。

【衣装】ワンピース:GANNI パンプス:ph7+(フィリップスヘッド) イヤリング:ラルク(ロードス) ブレスレット:Mamimi(ロードス) リング:CHIRO JEWELRY(ロードス)
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