「腕時計の世界最高峰」を目指し、高い精度と実用性を追い求めているグランドセイコー。今や国内だけでなく海外からも人気だ。
限定品の発売も多く、中古市場では新品では売っていないモデルを求める時計愛好家も多いのではないだろうか?
そこで今回はオークファンプロPlusを使って、ヤフーオークションで2025年1月中に取り引き去れたグランドセイコーの商品(最低金額1万5,000円以上)を価格順にランキング化。最も高額で取引されたモデルと、その特徴を解説する。
2025年1月中に1万5,000円以上で取引されたグランドセイコーの商品は合計896点。平均取引価格は10万7,723円だった。
中でも高額取引価格を記録したモデルは次の3本。「グランドセイコー SBGC004 18K 金無垢」(220万円)と「グランドセイコー SBGR013 40周年 18kt ホワイトゴールド」(114万8,000円)、そして「グランドセイコー SBGM235 キャリバー9S 20周年記念限定モデル」(112万5,000円)だ。なお、ここで取り上げている商品名は基本的に出品時の表記に沿っている。
高価格で取引された上位モデル3本がそれぞれどんなモデルなのか、時計ジャーナリストの渋谷康人さんに解説してもらった。
【第1位】グランドセイコー SBGC004 18K 金無垢
「2007年に発売されたグランドセイコー初のクロノグラフモデル。クォーツ式の高精度と機械式の味わいを兼ね備えたセイコー独自、世界で唯一無二のスプリングドライブムーブメントでも初のクロノグラフモデルで、快適な操作感を実現するピラーホイールと、クロノグラフ起動時の“針飛び”が起こらない垂直クラッチという凝ったメカニズムを備え、1/10秒単位という高精度でのクロノグラフ計測が可能。24時針によるGMT機能も備えているという、誕生から18年が誕生した今も、クロノグラフとして最高峰の機能を備えている1本。発売時の定価と金価格の高騰を考えると、オーバーホールしたばかりでコンディションも極上であれば、この価格は納得できるものでしょう。」
【第2位】グランドセイコー SBGR013 40周年 18kt ホワイトゴールド
「2000年に発売された『グランドセイコー40周年』記念モデルの1本で、ムーブメントは1998年に復活して初めてグランドセイコー専用に新開発され、長く使われたキャリバー9S系の初号機、9S51Aを搭載。
最大の特徴はグランドセイコーの中でも唯一無二と言っていい2段構造の12角形ベゼルや、堂々とした太さのアップライトインデックス、グランドセイコーの象徴であるライオンを40頭プリントした文字盤、当時としては類を見ない凝った構造のズシリとしたブレスレット。そのスポーティで骨太なデザインは、ドレッシーなスタイルが基本のグランドセイコーの中でも異色。万人向けとは言えませんが、こうしたディテールの価値がわかる人にはたまらない“隠れた名作”ともいえる1本です。メインストリームのデザインではないので、好みが分かれるので、この価格を高いという人もいるかもしれません。しかし素材や作りを考えるとこの価格は妥当ですし、むしろ安いかもしれません。」
【第3位】グランドセイコー SBGM235 キャリバー9S 20周年記念限定モデル
「新世代グランドセイコー専用の機械式ムーブメント・キャリバー9S系の誕生と発売20周年を記念して世界1000本で限定発売されたGMT機能付き(24時針付き)の記念モデル。最大の特徴かつ魅力は、グランドセイコーの『GS』とグランドセイコーを生み出した製造会社のひとつ『第二精工舎』のトレードマークの『S』。この3文字を組み合わせてデザインされた、今ルーペで見ても精密な作り込みに驚く凝りに凝った記念パターンの文字盤。2018年発売と比較的新しいSSモデルで新品価格は約60万円です。同じスペックでシンプルな文字盤のモデルが近い価格で現在も販売されていることを考えると、2倍近いこの価格は凝った文字盤の価値をどう考えるかで、高いか安いか、評価がわかれるところでしょう。」
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