米OpenAIの「ChatGPT」の週間アクティブユーザー(WAU)が世界で4億人を超えた。同社のブラッド・ライトキャップCOO(最高執行責任者)がXへのポストとCNBCのインタビューで明らかにした。
2024年12月にChatGPTのWAUが3億人に達してから33%増加し、2カ月あまりで4億人を突破した。
chatgpt recently crossed 400M WAU, we feel very fortunate to serve 5% of the world every week2M+ business users now use chatgpt at work, and reasoning model API use is up 5x since o3 mini launchwe'll bring GPT-4.5 and GPT-5 to chat and the API soon, with unlimited GPT-5 for… https://t.co/7hfyUcIyBW— Brad Lightcap (@bradlightcap) February 20, 2025
対話型生成AI市場は競争が激化している。特に1月に中国のDeepSeekが「DeepSeek-R1」をリリースして以来、OpenAIを含む既存の大手プレイヤーへの圧力が強まった。DeepSeek-R1はNVIDIAの旧世代チップを活用し、わずか560万ドルのコストで開発されたとされており、大規模な計算資源を前提とした従来のAIモデル開発の常識に疑問を投げかけ、効率的なモデル設計への関心を高める結果となった。
しかし、OpenAIの技術的な優位性が縮小する中でも、ChatGPTのユーザー獲得のペースは加速している。その要因について、ライトキャップ氏はCNBCのインタビューで「有用性」を挙げた。生成AIのようなサービスでは、人々がその利便性を実感するまでに時間がかかるが、ChatGPTは口コミで広まることで体験のハードルが下がり、日常的なツールとしての定着が進んでいると指摘した。
この流れは企業向けサービスの成長にも波及している。現在、ChatGPTのビジネスユーザーは200万人を超え、2024年9月にリーズニングモデルの「o1-preview」と「o1-mini」をリリースしてから約2倍に増加した。また、2025年1月末に新たなリーズニングモデル「o3-mini」をリリースした後、リーズニングモデルAPIの使用が最大5倍に増加したという。
DeepSeekショックは、生成AIが単なる技術的な話題ではなく、経済や企業の戦略を左右するほどの重要性を持つ段階に達していることを示した。ChatGPTが登場した2年前には想像もできなかったほど、AI技術は一般の意識に浸透している。
そうした状況において、ChatGPTは消費者の馴染みやすさを追い風に、さらなる成長を続けている。
OpenAIは「GPT-4.5」のリリースを間近に控えており、さらに数カ月以内に「GPT-5」の提供を開始する予定である。GPT-5は、従来のGPTシリーズと、o1から始まったリーズニングモデルを統合した新たなAIモデルとなる見込みだ。
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