スマートウォッチ市場を切り拓いた「Pebble」の創業者エリック・ミジコフスキー氏が設立した米Core Devicesは3月18日(現地時間)、Pebbleの系譜を継ぐ新スマートウォッチ「Core 2 Duo」と「Core Time 2」を発表した。オープンソースのPebbleOSを搭載する。


Pebbleは2012年にクラウドファンディングのKickstarterで記録的な成功を収め、Apple WatchやAndroid搭載スマートウォッチ登場以前に市場を開拓したパイオニアである。しかし、2016年にFitbitに買収され、市場から姿を消した。

その後、2021年にGoogleがFitbitを買収し、ミジコフスキー氏は約1年前にレガシーとなったPebbleOSについてオープンソース化を提案したところ、Googleがこれに同意したことで再始動が可能となった。公開されたPebbleOSは、タイムライン表示、ウォッチフェイスの変更、アラーム、タイマー、カレンダー、音楽コントロール、基本的なフィットネストラッキングなど、Pebbleの主要機能を備える。また、従来のPebble向けに開発された10,000以上のアプリやウォッチフェイスがそのまま動作可能だ。両モデルともスピーカーとマイクを内蔵し、AIアシスタントなど音声を使ったアプリの活用も視野に入れている。

「Core 2 Duo」はPebbleの原点回帰を体現するモデルだ。1.26インチのモノクロE-Inkディスプレイを採用し、ボタンによるシンプルな操作性を重視しているため、最新の高機能スマートウォッチと比べると一見機能は限定的だ。しかし、Pebbleファンが評価する「常時表示可能なディスプレイ」「長時間持続するバッテリー」「ハッキング可能なカスタマイズ性」といった特徴をしっかり継承している。また、Bluetoothチップの効率が向上したことで、バッテリー持続期間が「Pebble 2」の最大7日間から最大30日間に伸びた。

一方、「Core Time 2」は「Pebble Time 2」の進化版に位置付けられ、1.5インチの64色カラーE-Inkディスプレイを金属製の本体に搭載する。ディスプレイサイズ自体は変わらないが、表示領域が拡大し、情報量と視認性が改善された。
また、シリーズ初のタッチスクリーンを採用し、画面上の小型ウィジェットを直接タップしてアクセス可能とするなど、Apple Watchに通じる操作性を取り入れつつも、Pebbleらしさを損なわない設計となっている。

価格は「Core 2 Duo」が149ドルで2025年7月の出荷開始予定、「Core Time 2」が225ドルで同年12月の出荷予定である。ただし製造上の遅延や関税などの影響により、価格変更の可能性もあるとしている。Core Devicesは大規模な販売を目指さず、小規模なニッチ市場向けに限定生産を予定。現時点で店頭販売は行わず、store.rePebble.com での予約販売のみを行っている。
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