米Microsoftは3月26日(現地時間)、Microsoftアカウントへのサインインに、新たなデザインとユーザー体験(UX)の導入を開始したことを発表した。Windows、Xbox、Microsoft 365といった同社の主要製品でサインインおよびサインアップのプロセスに適用され、4月末までに大多数のユーザーが利用できるようになる見込みである。
今回の刷新は、Microsoftが推進するデザイン言語「Fluent 2」に基づくものである。Fluent 2は、Microsoftの製品群に一貫性のある外観と操作感をもたらし、より現代的で美しいUIを実現することを目的としている。新しいサインイン体験における主な変更点は以下のとおりである。
情報量の削減とステップの最適化:ユーザーの認知負荷が軽減されるように画面上の情報を効果的に削減。認証プロセスのステップ順を見直すことで、より論理的かつスムーズな操作を可能とした。
レスポンシブデザイン:PCの大きなモニターからスマートフォンの小さな画面まで、すべてのデバイスで快適なUXを提供できるよう設計されている。
ライト/ダークテーマ対応:ユーザーのデバイス設定に応じて、自動的にライトまたはダークテーマが適用される。まずはゲームアプリに導入され、他のコンシューマ向けアプリにも展開される予定である。
一貫したブランド体験:従来は製品ごとに異なるデザインが用いられることもあったが、刷新後はMicrosoftのロゴや共通の背景画像を前面に押し出し、Microsoftアカウントでサインインするすべての場所で視覚的なスルーラインを提供する。
また、デザイン刷新と並行して、パスワードレス認証への移行促進を更新の大きな柱としている。Windows Hello、物理的なセキュリティ キー、SMSコードなど様々なパスワードレスの認証方法をサポートする一方、新しいUXは特に「パスキー(Passkey)」の利用促進に重点を置いている。たとえば、サインイン完了後にパスキーの追加を促す画面を表示したり、利用可能な場合にはパスキーをデフォルトの認証手段として優先的に提示するなど、導入のハードルを下げる工夫がなされている。
新しいサインインUXは、コンシューマ向けMicrosoftアカウントを対象に、3月から4月にかけて段階的に展開される。Webおよびモバイルアプリのサインイン画面が先行して更新され、順次Windows上のアプリにも拡大していく計画である。なお、Xboxについては、すでに2025年2月よりA/Bテストを通じて新デザインの導入が進められており、Microsoftは良好なフィードバックを得ているとしている。
なお、今回の変更は個人向けMicrosoftアカウントに限定されており、企業や教育機関向けに提供されているMicrosoft Entraアカウントには影響しない。
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